第40鉄 夏の青春18きっぷ旅(4)日本一のモグラ駅をズルい方法で訪ねた:杉山淳一の+R Style(7/7 ページ)
記録的な猛暑の夏、涼を求めて彷徨う青春18きっぷの旅。4回目は地下70メートルの上越線土合駅と、そこから徒歩で行ける谷川ロープウェイを訪ねた。太陽の光が届かない「トンネルの中の駅」なら、きっとひんやりしているはず……。
スピードと引き替えに失った景色がある
上越線の車窓は各駅停車ならではの景色。新幹線は全長約22kmの大清水トンネルを通り、瞬時に通過してしまう。新幹線は速くて便利。だけどそれと引き替えに上越国境の車窓を失ってしまった。もちろん新幹線でしか見えない景色もあるだろう。でも、スピードと引き替えに失った景色のほうが趣があるような気がする。「青春18きっぷ」は、そんな景色への招待券だ。
青春18きっぷ旅:バックナンバー
→夏の青春18きっぷ旅(1)日本三大車窓とJR最高地点を訪ねる
→夏の青春18きっぷ旅(3)SLだけじゃない! 魅力満載の大井川鐵道
→夏の青春18きっぷ旅(4)日本一のモグラ駅をズルい方法で訪ねた
→夏の青春18きっぷ旅・最終回 富士山外周、山北駅のD52とB級グルメを訪ねる
青春18きっぷとは?
「青春18きっぷ」はJRの企画きっぷで、JR全線の普通列車(快速含む)の普通車自由席とJR西日本宮島フェリーに1日乗り放題になる。特急や急行列車には乗れないが、普通列車のグリーン車自由席であれば、グリーン券を別途購入すれば乗車できる(ただし、中央ライナー、青梅ライナー、マリンライナーなどは除く)。1万1500円で5回使えるため、1枚あたりの値段は2300円ということになる。1人で5日(5回)使ってもいいし(利用日が連続している必要はない)、同一行程であれば5人グループで日帰り旅行に使ってもいい。2人で2日(2回)ずつ使って残り1回を1人で日帰り旅行、という使い方も可能だ。
「青春18きっぷ」という名前だが、年齢制限はないので大人でも子どもでも利用可能。ただし、利用できるのは年に3シーズンのみ。2010年の利用期間(発売期間)は以下の通りだ。春は2月20日〜3月31日(発売期間:3月1日〜4月10日)、夏は2010年7月20日〜9月10日(利用期間:2010年7月1日 〜 8月31日)。
10月は「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」が使える
秋は青春18きっぷが発売されないが、10月は「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」が利用できる。青春18きっぷとほぼ同じ制限だが、こちらは大人用9180円、子供用4590円で、利用できるのは3日間。発売期間は10月1日〜17日、利用期間は、10月2日〜17日となっている。【編集部】
今回の電車賃
JR 青春18きっぷ 2300円(1回分)
関越交通バス 水上駅−谷川岳ロープウェイ 650円
谷川岳ロープウェイ 往復2000円 天神平行きリフト 往復700円
著者プロフィール:杉山淳一
肉食系鉄道ライター(魚介類が苦手)にして、前世からの鉄道好き。生まれて間もなく、近所を走っていた東急池上線の後をついていったという逸話あり。曰く「いつもそばを走ってたから、あれが親だと思った」
コンピューター系出版社でゲーム雑誌の広告営業を経験した後、フリーライターとなる。オンライン対戦ゲーム、フリーウェア、PCテクニカルライティングなどデジタル系の記事を専門とし、日本初のEスポーツライターとしてオンライン対戦ゲーム競技を啓蒙する。
趣味は日本全国の鉄道路線探訪で、現在の路線踏破率は約8割。著書は『もっと知ればさらに面白い鉄道雑学256(リイド社)』『知れば知るほどおもしろい鉄道雑学157(リイド社)』『A列車で行こう8 公式ガイドブック(エンターブレイン)』など。
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