お前のことは嫌いじゃないけど、やっぱり俺……『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』:あの映画ざっくりレビュー
6月11日公開の「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」。「相棒もの」が好きな人も歴史好きも楽しめる、ストーリーがしっかりした映画……です、はい。
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』はざっくりいうと、お人好しのミュータント:チャールズと、人間不信のミュータント:エリックが出会って一緒に戦って世界の危機を回避するんだけど「お前のことは嫌いじゃないけど、やっぱり俺、人間と仲良くできないしー」って言われて袂を分かつ話。
『X-MENシリーズ』の始まりを描いたこの映画、『X-MEN』ファンの人はもちろん「『X-MEN』ってなーにー? 見たことなーい」っていう人でも問題なく面白い。のちに宿敵となる2人が若かりしころにタッグを組んで戦う様子は「相棒もの」が好きな人にはたまらないし、史実をベースにしたストーリーは歴史好きなら「おいおいおーい」と突っ込みながらも楽しめる。主役2人を始め、美男美女いろいろ取り揃えたキャストも楽しい。獣の足を持つ眼鏡男子と青い肌のレイブンのサイドストーリーには、ちょっときゅんってなる。
次々と現れるミュータントたちの特殊能力披露に、遺伝子の突然変異だけでそんなすんごいことになるんかい? っと基本設定を覆す勢いで突っ込み、えーっと……待って待って、その船核弾頭積んでませんでしたっけ? とか、突っ込みどころは満載ですが、ストーリーがしっかりしてるのでたいして気に……なら、ない……です、はい。
あらすじ
ユダヤ人収容所の所長に母を殺されたエリックはそこで能力を開花させる。人の心を読めるテレパスのチャールズは遺伝子工学の教授になり、CIAに雇われる。母の仇であるセバスチャン・ショウを追いかけているエリックと、テロリストとしてショウを追うチャールズは出会い、共通の敵であるショウ率いるミュータント集団に対抗するためタッグを組む。ショウはソ連をそそのかして核戦争を起こそうとしているのだ。その計画に気付いたチャールズとエリックもまた、ミュータントたちを集めて戦い危機は回避されるが、ミュータントの能力を恐れる東西両陣営から標的とされてしまう。
櫻井輪子(さくらい・わこ)
映画好きが高じて、コラムを書いたりもするイラストレーター。『WOWOWマガジン』『問題小説』『てぃんくる』などでイラストコラムを執筆。『Tokai Walker』の金子裕子さんのコラム「セレブ診療所」にコマ漫画を付けている。過去には『DVD&ビデオでーた』でビデオレビューのイラストコラム、『DVDでーた』で記者会見をレポするコラム『現場から櫻井輪子でした』を連載。
著書に『「へのへのもへじ」から始める 世界一カンタン! イラスト練習帳』がある。公式サイト「SakuraiWako'sめカラうりぼう」。
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