Audi R8 e-tron、ニュル北コースで量産EV最速ラップ:2012年末発売
Audi R8 e-tronが、ニュルブルクリンクの北コースで、量産型EVのラップタイムとして新記録となる8分09.099秒を記録した。ドライバーはマルクス ヴィンケルホック。
独アウディは2012年6月29日、電気自動車(EV)の「Audi R8 e-tron」がニュルブルクリンクの北コースで、量産型EVのラップタイムとして新記録となる8分09.099秒を記録したと発表した。Audi R8 e-tronは2012年末に発売予定だ。
Audi R8 e-tronに搭載するモーターの最高出力は280キロワット、最大トルクは820ニュートンメートルだが、EVとしての特性を生かし、発進直後からリアホイールに4900ニュートンメートルを超える大トルクを伝達できる。静止状態から時速100キロまでの加速は4.6秒、最高速度は時速250キロだ(通常は時速200キロでリミッターが作動)。
電池容量49キロワット時のリチウムイオンバッテリーを搭載し、航続距離は約215キロ。バッテリーはセンタートンネルを利用してT字型に配置してある。惰性走行時(コースティング)と制動時にはエネルギー回生による充電も行う。
ボディには主にアルミニウムを使い、一部にはカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)も採用して軽量化。大容量バッテリーを搭載しながらも、車両重量を1780キロに抑えている。
運転を担当したレーシングドライバーのマルクス ヴィンケルホック選手は、「今回のR8 e-tronはあくまで量産モデルであり、レーシングカーのような空力のアシストはありません」と、同選手がドライブしニュルブルクリンク24時間レースを制したAudi R8 LMS ultraとの違いを強調する。
「しかし、低重心化とリヤ寄りの重量配分により、非常にスポーティなキャラクターを発揮してくれました。電気モーター特有のトルク特性のおかげで、上りでは今まで体験したことのない加速フィールが感じられました。スタート時にも、ほとんどノイズが出ないのですから、まったく新しい経験でした。トラクションが必要なセクションでは、トルクベクタリング(駆動輪間でトルクを最適配分するシステム)の効果に大いに助けられました」(ヴィンケルホック選手)
また、アウディではもう1台のAudi R8 e-tronを使って、2周連続アタックにも挑戦した。こちらは通常モデル通り時速200キロ制限をかけ、1周目は8分30.873秒、2周目は8分26.096秒という記録をマークした。アウディによると、一般的な量産スポーツカーは1周9分を指標としている。
関連記事
- 「クルマ・バイク」インデックス
- アウディ、日本に10台だけの「Audi R8 GT Spyder」――2012年のモータースポーツ活動も発表
Audi R8 GT Spyderは、カブリオレモデル「Audi R8 Spyder」をさらにチューニング。333台限定生産で、国内導入は10台のみ。価格は3064万円。 - 新型になったアウディ A4 クワトロ、いかにも現代的なスポーツセダン
4月3日にマイナーチェンジして発売されたアウディ A4。同社の総販売台数の25%を占める主力セダンをさっそく試乗した。 - ただの都会派コンパクトSUVではない、Q5譲りの力強さも備えた「Audi Q3」
アウディがプレミアムコンパクトSUV市場に投入したQ3。上質感を求めて「SUVくささ」を薄めた見た目にだまされてはいけない。踏めばどこからでも強烈な加速を味わえる。 - 独アウディ、フランクフルトで新しいジャンルのクルマを提案
独アウディは、9月13日から開催される「フランクフルトモーターショー2011」に、1+1シートの超軽量コンセプトカー「アウディアーバンコンセプト」を出展する。 - これがロータリーエンジンの生きる道、水素を燃やしてEVの走行距離を伸ばす
マツダが、水素ロータリーエンジンをレンジエクステンダー(航続距離延長装置)として搭載する電気自動車(EV)を開発中だ。ロータリーエンジン搭載車「RX-8」の生産は終了するが、新たな用途に向けてロータリーエンジンの開発は継続される。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.