G-SHOCK MUDMAN、アフリカのサバンナで実力を試す:試用インプレッション(3/3 ページ)
20年ほど前からアフリカの野生動物や自然を撮影してきた筆者。「G-SHOCKが本当にタフなのか検証してくれ」との依頼で、2カ月間、撮影旅行のお伴とする。
温度センサーは常時使えるとベストになのだが……
ツインセンサーの温度センサーについて。この時期、南半球に位置する南部アフリカは真冬であるため寒い。例えば、今回訪れたボツワナのマシャトゥ動物保護区での7月27日、日の出前の気温は8.7度だった。
サファリに出かける前にこのような情報が手に入れば、その日の服装を決める際にも役立つ。気温はもちろん体で感じられるものだが、風や日光の影響などもあるため、体感温度と実際の気温との間には差がある場合が多い。そんな時、具体的な数値で示してくれるMUDMANは重宝する。ちなみにこの日、日中は22度くらいまで上昇した。
この温度計測機能は大変便利なのだが、難点もある。まず、腕に装着していると、体温の影響を受けてしまうため正確な数値が得られない。気温の計測には腕から外し、さらに直射日光に当たらない場所に置いておく必要がある。説明書によると、気温と時計の温度とが同じになるまでには20〜30分程度かかるという。これがせめて5〜10分くらいになれば、より使いやすくなるのだが……。
もう1つ、温度センサーが方位センサーと連動している点も気になる。方位センサーの計測結果は20秒間表示されるが、その後は消えてしまう。それと同時に温度センサーの表示も消えてしまうのだ。これはいささか不便だ。温度センサーだけでも常時計測にしてほしい。
いろいろ文句も書いたが、並外れた耐久性を持ち、機能面でも充実しているG-SHOCK MUDMAN GW-9300は、単なる腕時計ではなくアウトドアでの有効なツールとして、さまざまな局面で筆者のフィールドワークに役立っていることは事実だ。次回は南アフリカの砂漠地帯での使用レポートを予定している。
著者プロフィール
山形豪(やまがた ごう) 1974年、群馬県生まれ。少年時代を中米グアテマラ、西アフリカのブルキナファソ、トーゴで過ごす。国際基督教大学高校を卒業後、東アフリカのタンザニアに渡り自然写真を撮り始める。イギリス、イーストアングリア大学開発学部卒業。帰国後、フリーの写真家となる。以来、南部アフリカやインドで野生動物、風景、人物など多彩な被写体を追い続けながら、サファリツアーの撮影ガイドとしても活動している。オフィシャルサイトはGoYamagata.comこちら
【お知らせ】山形氏の新著として、地球の歩き方GemStoneシリーズから「南アフリカ自然紀行・野生動物とサファリの魅力」と題したガイドブックが出版されました。南アフリカの自然を紹介する、写真中心のビジュアルガイドです(ダイヤモンド社刊)
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