空から、陸から、オーストラリア大陸をダイナミックに旅する:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(3/9 ページ)
観光列車でケアンズの熱帯雨林を抜け、復路はスカイレールで上空から景色を一望する。南オーストラリアのアデレードから北端のダーウィンへは、ザ・ガン鉄道で縦断。日本からのアクセスはジェットスター航空を利用し、空路と陸路で豪大陸を満喫した。
スカイレールで空中散歩
キュランダ鉄道での旅を満喫した帰路は、スカイレールでケアンズ市内に戻るプランがおすすめだ。世界でもっとも環境に配慮して建設されたロープウェイであり、これに乗ると、約1億2000万年も前から残る地球最古の熱帯雨林を上空スレスレの高さから観察できる。
キュランダ駅からスカイレール乗り場に移動すると、そこでちょっとしたサプライズが私たちを待っていた。せっかく取材・撮影に来たのだから──と、現地の観光局に長年勤務する旧知の友人が特別に“取材用ケージ(カゴ)”を用意してくれていたのだ。
通常のゴンドラとは違い、柵だけのオープンな作りで、囲いがない。万が一にも落下事故などのないようにと腰とゴンドラ中央部をセーフティ・ハーネス(命綱)でつながれ、現地のスタッフに「さあ、これで大丈夫。存分に撮影してください」と壮大な熱帯雨林を眼下に見おろす空中散歩に送り出された。
ご覧の写真も、ガラス越しではなく直に撮影したからこそ撮れた熱帯雨林の姿である。真下にはどこまでも続く緑の樹海が、そして遠くに目を移せば、もう一つの世界遺産であるグレートバリアリーフの青い海が。その見事なコントラストと圧巻のパノラマに、しばし言葉を失ってしまった。途中のレッドピーク駅では、完備された遊歩道を歩きながら熱帯雨林の生態系を学べる約20分のガイドツアーもある。そんなツアーにも参加しながら、のんびり時間をかけて下りてくるのもいい。
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