空から、陸から、オーストラリア大陸をダイナミックに旅する:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(8/9 ページ)
観光列車でケアンズの熱帯雨林を抜け、復路はスカイレールで上空から景色を一望する。南オーストラリアのアデレードから北端のダーウィンへは、ザ・ガン鉄道で縦断。日本からのアクセスはジェットスター航空を利用し、空路と陸路で豪大陸を満喫した。
ジェットスター航空の上級クラスで
日程はハードだったものの、とても充実した1週間だったと思う。すべての予定を終えた私たちは、往路と同様にジェットスター航空のフライトで帰路についた。
とくにケアンズから成田への帰りの便では、帰国後に疲れが残らないよう、同社の上級クラスをチョイス。「LCCなのに上級クラス?」と不思議に思う読者もいるかもしれないが、中距離路線に参入している同社では機材も双通路のエアバスA330-200を使用し、いち早く上級クラスのサービスを取り入れてきた。
日本を発着するLCCではもう1社、羽田や関西とクアラルンプールを結ぶエアアジアXも上級クラスを設置している。こちらの使用機材は同じエアバスA330でもボディが5メートルほど長い-300型。その両社の違いは、機内サービスの面で色濃くあらわれていた。
手厚いサービスで快適フライト
この連載の第42回「エアアジアXとマレー鉄道の旅」でレポートしたように、エアアジアXのプレミアムシートは豪華だ。シートピッチが大手エアラインのビジネスクラス並みに150センチあり、ボタン操作でフルフラットのベッドにもなる。しかし、サービスについては簡素化されている印象だった。軽食とミネラルウォーター、毛布、枕などは無料で提供されるが、アルコール類などは有料。羽田を23時台に発つ深夜便であることを重視し、余分なサービスを求めず熟睡できるフルフラットシートがあれば十分と考える乗客が多いと判断したからだろう。
これに対して「スタークラス」と呼ばれるジェットスター航空の上級クラスは、シートピッチは96センチ。横1列の配置もエアアジアXが「2-2-2」の6席なのに比べて、「2-3-2」の7席だ。グレードとしては、大手エアラインがビジネスクラスとエコノミークラスの中間席として取り入れている「プレミアムエコノミー」に近い。
けれども「もてなし」という面では、ジェットスター航空のほうが手厚い印象である。食事や飲み物などはすべて運賃に含まれ、フルサービスが提供される。人気のオーストラリアワインや、日本発着便では和食メニューも用意され、豊富なプログラムの詰まったオンデマンド型のパーソナルビデオも無料で貸し出していた。
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