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» 2006年07月24日 16時49分 UPDATE

先延ばししている仕事に取り組む(4):仕事を“習慣化”するための方法 (1/2)

ステップ4からは、行動が習慣になることを目指す。行動することが楽しくなる環境設定や、行動そのものと快・苦痛を結びつける方法、仕事に目盛りをつける、など、今すぐ活用できるヒントを紹介しよう。

[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]

 ステップ1で本当にやるべきものを取り出し、ステップ2でネガティブな要因を取り除きました。そしてステップ3では、とにかく機械的に行動したわけですが、これだと無味乾燥です。ステップ4からは、習慣になるように、行動することが楽しくなるようにしていきます。

 そのためには、4つのポイントがあります。まず1つ目は、「その行動ができる快適なセット&セッティングを作る」ことです。セットは心の状態、セッティングは周りの状態を表します。

快適な心の状態と環境を作る

 「言われたから、○時から○時までコレをやらなきゃいけない」というのだけでは無味乾燥で面白みがないので、自分が気持ちよく、楽しくできる心と周りの状態を作ります。好きな音楽をかける、好きなカフェに行く、好きなフレーバーティを飲む、アロマを炊くなど、自分にとって行動が楽しくなるように、いい状況を作ってほしいのです。部屋の明るさを調節する、デスクの上に写真を飾る、でもいいです。こうすると、その行動をすることが、すごく楽しい時間になるのです。

 私は、わざわざ有料自習室にいくことがあります。お金を払うと、もったいないという気もしますが、集中できるのです。もちろん、自宅にも作業がしやすいように書斎スペースがあり、ちゃんと気持ちよいセッティングにしていますが、私の場合は、やっぱり家ではダメなのです。カフェがいいんですね。ですから時間があるときはなるべく外に出て、目の前に樹があるお気に入りのカフェにパソコンを持って行って作業します。どこでもできるじゃないか、と言われるけれど、人間ってそういうものではない。

 ビジネスマンでもカフェのほうがやりやすいっていう人は結構いますね。好きな店や好きな席など、決めておいてほしいのです。すぐ行ける場所と、余裕があったら行ける場所も設定してほしい。

 ユニークなところでは、酸素を吸いながら、という方法もありますね。人それぞれ、好きなやり方がきっとあると思います。例えば、自然の中がいいのであれば、週に1日だけ鎌倉Dayを設けて、朝から鎌倉に行ってずっと作業する、なんてどうですか? そのかわり、そこではパソコンと携帯電話があればできる仕事を集中させる。楽しいと思いませんか? 海が好きなら海、森が好きなら森にと、その日はそこに行くと決めてしまうのです。そうすると、あの日までにこれを揃えとかなきゃ、と、いい意味でモチベーションが上がるのです。

 一緒にやるパートナーを見つけるのもいいでしょう。習い事やエクササイズなどは、パートナーと時間と場所を決めてやる。すると、約束ですからやりますよね。

 合宿はまさに典型例です。場所が変わるし、合宿までに資料を揃えなくちゃいけない、ということでモチベーションも上がる。日帰り合宿にしてもいいですし、そういった機会を積極的に生かしてほしいですね。これがセット&セッティングです。

行動しないことと苦痛を“同時進行で”結びつける

 2つ目のポイントは、行動しないことと苦痛を結びつけることです。まず過去の苦痛を結びつけます。行動しなかったことで、大失敗したことはありませんか? 仕事上で辛かったことでもいいし、気分的に辛かったことでもいいです。やらなかったことで、どれだけ苦しかったかを、なるべくありありと思い出してほしい。そうすることで、心を燃え立たせてほしいのです。

 次に過去から未来にいきます。行動しなかったら将来どんなに大変かを想像します。これはステップ2の復習でもあるのですが、今度はもっと想像を膨らませて、リアルにしてほしいのです。

 こんな例があります。ヘビースモーカーで、「絶対、禁煙はしない」という男性がいました。その人が、おいしそうにタバコを吸っていたところ、まだ2〜3歳の小さい可愛い大事な愛娘がボロボロ泣きながら、「お父さん、死なないで」って言うのです。「どうしたの?」って聞いたら、「お父さんが死んじゃうのヤダ、私が結婚するまで生きていて」と言います。「なぜそんなこと言うの? お父さん、死なないよ」と応えたら、「だって、お父さん、タバコ吸ってるから」と言うんですね。

 すると、この吸っているタバコと娘のつらい表情が結びついてしまったのです。「タバコを吸っていることが、この子をこんなに不幸にするのか」と。彼はその日からピタッとタバコを止めました。「喫煙」=「この子の辛い顔」となったわけです。頭で理解してもダメです。このように、心情レベルで結びつかないと効果がありません。

 また、一番肝心なのは、行動していないことと苦痛が、“同時進行で”結びつくことです。賞罰になってはいけません。行動しないと罰を受ける、というのでは効果がないのです。

 例えば、よくあるのが、子供が勉強しなくて、テストで20点しか取れずに怒られる場合です。せっかく部屋で勉強しているのに、「なんで20点取ったの。ダメじゃないの!」と言って怒る。すると、勉強していることとと怒られることが結びついてしまって最悪です。

 そうではなくて、勉強しないことが常に苦痛で、勉強していることが常に快になるようにしたいのです。結果ではなく、動作が快・苦痛と結びつくようにしたい。そうすると、動作そのものが、快・苦痛になっていきます。

 例えば、行動してなかったら暑くてもクーラーをつけられない、など。行動しないと、真夏なのに暖房をかけて汗をダラダラかかなきゃいけない。でも行動した瞬間から、クーラーをかけてもいいことにします。

 何を快・苦痛に感じるかは人それぞれなので指定できませんが、いずれにしても、行為そのものと同時進行で快・苦痛を結びつけるようにします。

行動することと快を“同時進行で”結びつける

 行為と苦痛を結びつけることは少し理解しにくいのですが、これから紹介する3つめのポイント「行動することと快を結びつける」ことは、もっと分かりやすいでしょう。

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