やらなくてはいけないと思っていても、ついつい後回しにして結局やらないままになっている仕事がたまっていないだろうか。今月は、先延ばししている案件を確実にこなしていくためのテクニック「先延ばし撃退法」をマスターしよう。
「先週やればよかった」「どうしてこれまでこの仕事を放っておいたのだろう」──。誰しもが、こんな気持ちになったことがあるでしょう。仕事をする上で、避けたいと思っていながらもついついやってしまう“先延ばし”。今回の連載、まず初めは、心理的抵抗などの精神的なものから、スケジュール管理などの行動レベルのもの、そのほかさまざまな手法を駆使してあなたの先延ばしを確実に根絶します。
最初に、今、先延ばししていると思っていることを、洗いざらい書き出してみてください。例えば、「英会話をやりたいと思っているのにしていない」「○○語を修得したいのに、まだ手を付けていない」「Excelの最新バージョンをマスターしたいので、本を買ったけれど読んでいない」など、思いつく限りたくさん、あればあるほどいいです。
ではさっそくステップ1から進めていきますが、その前に注意点です。先延ばしの撃退は上記の「ステップ1」から「ステップ5」まで、必ずこの順番で進めてください。この順番に意味があります。このステップのどこかで、必ずあなたの先延ばしが根絶されます。
「ステップ1」は、「本当はやらなくていいのではないか」「本当はやらないほうが、能率がいいのではないか」、「諦めたほうがいいのではないか」、ということを確認するステップで、3つのポイントがあります。
まず1つ目のポイント。「『やりたい』『やらなきゃいけない』と信じ込んでいるけれど、本当は必要ないかもしれない」、これをチェックします。
例えば、「散らかっているデスクをなんとか片付けたい」、という場合を考えてみます。確かに机が散らかっていると能率が悪い人はいます。でも、散らかっていても能率がいい人もいるのです。重なった本の下からパッと書類を取り出す、なんてことができる人がそうです。この人は、周りの「おまえ、これじゃ能率悪いだろう」という言葉に洗脳されて、かたづけなきゃと思いこんでいるだけで、実は散らかっているほうがいい人です。
「締め切り」もそうです。明日の朝9時が締め切りなのに、前日の夜から書き出して良いものを書ける人もいます。そんな人は、1週間前に書き終えたとしても内容があまり良くなかったり、早く書き始めても調子に乗れなかったりします。「私は締め切り直前の方が乗る」、ということならば、“先延ばししている悪いこと”、というレッテルをはがして、「これが自分のスタイルだ」と認めてほしいのです。
では、「ステップ0」で書き出したリストを見てください。そして、本当は「先延ばし」のリストから外していいのではないか、というものがないか検討してください。あれば、この場で消してしまいましょう。
平本 「本当は必要ないもの」はありましたか?
房野 2個くらい切れました。「原稿は〆切直前でもいい」ということが分かって、気が楽になりました。
平本 何日前からやりますか? 「これくらいの分量だったら、この日からやればいい」、というのが自分で分かっているはずですね。
房野 インタビューだったら、3日……2日前かな。「テープ起こし」には結構時間がかかりますが、書くのは1日で済むので。
平本 じゃあ、2日前は絶対丸々空けておいてほしいんです。そして、その前に気を病むのをやめてほしいんです。
房野 でも、それがなかなか……。
平本 だったら余裕を持って3日前にしてもいいですよ。つまり、気を病むのを止めてほしいんです。気の病みには何の生産性もないんです。結局、書いてないじゃないですか。だったら豪華に楽しく気持ちよく過ごして、最後の3日間に集中したほうがいいですね。1日で足りなければ2日にしてもいいし4日にしてもいい。それは自分で一番生産性のあがる調度いい日数を決めればいいんです。
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