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» 2006年08月08日 17時50分 UPDATE

デジタルワークスタイルの視点:紙を捨てて身軽になろう――“デジタルワークスタイル流”スキャナ活用術

まだまだなくならない「紙」の情報。紙の資料をPDFに変換できるスキャナを使った簡単整理術をご紹介しよう。

[徳力基彦,ITmedia]

 インターネットの普及や技術の進歩のおかげで、いまや大抵の情報はデジタルデータでやり取りする事が可能になりました。デジタルデータであれば、後から検索も手軽にできますし再利用も簡単です。便利な時代になったものです。しかし、そうはいってもまだまだなくならないのが「紙」の情報でしょう。

 デジタル化がこれだけ進んでいるにもかかわらず、雑誌の記事やセミナーで配布される資料、受け取った提案書など、デジタルでもらうことのできない紙の資料というのは一向に減る気配がありません。私も紙の資料のファイリングはあまり得意ではないので、紙の扱いに困っていたのが正直なところです。

 そんな悩みを一発で解消してくれたのが、紙の資料を簡単にPDFに変換することができるスキャナでした。そこで今回は、私と同じような悩みを抱えている方に、個人でのスキャナ活用法をご紹介します。

st_ss01.jpg 筆者も利用しているスキャナ「ScanSnap fi-5110EOX3」(現在は販売終了)
st_ss04.jpg 最新機種「ScanSnap S500」はこちら

紙を捨てて身軽になるためのスキャナ活用術の3つのポイント

  • オートシートフィーダつきのスキャナを使おう
  • できるだけ自分の机の上にスキャナを置こう
  • OCRを使って検索も可能にしよう

オートシートフィーダつきのスキャナを使おう

 スキャナというと、一般的には写真などの画像を読み込むのに使うものと思っている人が多いかもしれません。イメージするのもフラットベッドスキャナと呼ばれるコピー機のように原稿をガラス台に固定するタイプのものをイメージする人も多いでしょう。ただ、一般的なビジネスにおいてはこの手のスキャナは使い勝手が良くありません。

 30枚の提案書をいちいち読み取るのをイメージしてください。うんざりですよね。当然、通常のコピー機のようにオートシートフィーダがついていて、ある程度の枚数の資料も自動的に読み込んでくれるものが理想です。

 最近はフラットベッドスキャナに、オートシートフィーダのオプションも販売されていますから、1台で写真も資料も読み込みたいという欲張りな方は、そういったオプションがあるものを購入するとよいでしょう。

st_ss05.jpg オートシートフィーダで大量のスキャンも簡単に

できるだけ自分の机の上にスキャナを置こう

 スキャナというのは、あまり毎日のように使うものではありませんから、普通はオフィスに1台あれば十分です。そういう意味では、自分の机の上にわざわざ置くものではないかもしれませんが、あえて置く事をお勧めします。

 どうしても自分から離れたところにスキャナを置くと、スキャナを利用するのが億劫になり、読み込むのを後回しにしてしまいがちになります。そうすると、結局自分の机の上に紙の資料が積みあがってしまい、今度は大量に読み込むのが面倒になってしまいます。

 スキャナの分、机の上が狭くなってしまうかもしれませんが、あえて自分の机に置くようにしましょう。そうすることで日々の作業の一環に、スキャナの利用を組み込むことができるようになります。自分専用のスキャナを購入するのも良いですし、率先してグループ用のスキャナを自分がリードして購入し、自分の机の上に置くのもいいでしょう。

OCRを使って検索も可能にする

 意外と知られていないのが、読み込んだ資料をPDFにした際に合わせて「OCR処理をかけてテキスト情報を抽出してしまう」という利用法です。私も使っているPFUの「ScanSnap」というスキャナでは、この利用法を積極的に推奨していますが、これが非常に便利です。

 一般的に「OCRでテキストを認識する」というと、認識率が話題になります。最近の文字認識率は99%以上の場合が多いですが、当然資料の文字サイズや模様など、さまざまな要因でこれは下がりますから完璧に認識できるケースは、まだまだありません。

 ただ、PDFでテキストデータを抽出する場合に良いのは、画像としての読み取りデータはそのままで、テキストデータを付属の情報として追加してくれる点です。文書を読みたければPDFファイルを見ればそのままの文章を読めるわけですから、完璧なテキスト情報になっている必要はないわけです。

 では、このテキスト情報を何に使うのかというと「検索」です。文書をスキャナで読み込んで、元の資料を捨ててしまった場合、デメリットとして挙げられるのが、紙のように手軽にパラパラとめくって探せなくなるという点です。デジタルデータとしてはファイル名で検索するしかありませんから、同じようなファイル名のPDFファイルが大量にあると検索が難しくなります。

 そこで、PDFファイル化した際にテキスト情報を抽出しておけば、そのテキスト情報を元に該当のファイルを手軽に見つけることができるわけです。検索が目的であれば、必ずしも100%正確に文字認識されている必要もありませんから、OCR処理をした後に細かく誤字チェックをする必要はありません。とにかくガンガン資料をスキャナでPDFに読み込んでしまってください。

st_ss03.jpg 設定画面
st_ss06.jpg 読み込んでいるところ

紙のメリットを認識して

 技術が進歩しているとはいえ、紙の重要性がここ数年で消えてなくなる気配はありません。PCのディスプレイに比べた閲覧性や配布の容易さなど、そのメリットは当然十分に活用する余地がまだまだあります。

 ただ、利用し終わった資料や、後で使うかもしれない資料などを、机の上にいつまでも放置しておくと、大事な資料が埋もれて仕事の生産性が下がるもとになりますし、完璧なファイル整理術を身につけるのも結構大変です。どうも机の上に紙の資料が散乱するという方は、是非、一度進化してきたスキャナの威力を体験してみてください。

筆者プロフィール 徳力基彦(とくりき・もとひこ)

NTT、ITコンサルを経て、現在はアリエル・ネットワーク株式会社プロダクト・マネジメント室マネージャ。ビジネスパーソンの生産性向上のためのソフトウェアの企画・開発やコンサルティング業務に従事するほか、グループウェアやブログ、仕事術などに関する執筆・講演活動を行っている。ブログは「ワークスタイル・メモ」と「tokuriki.com


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