インタビュー
» 2006年08月08日 23時28分 UPDATE

達人の仕事術:Web時代の“割り切り”情報処理――フィードパス 小川・西川さん

RSSリーダーなどのネットサービスを提供する仕事に就く、小川さんと西川さん。「世の中に情報はいくらでもあるし、それを見つける方法も十分発達している」と、割り切った方法で情報を処理している。

[吉田有子,ITmedia]

浅く広く、大量の「情報シャワー」を浴びる

yy_ogawa.jpg 小川さんのMacはステッカーでいっぱいだ

 「とにかく大量の情報を浴びるようにしている。ブログも書籍も、多くのものを素早く読みます」と話すのは、フィードパスCOOの小川浩さん。しかし、その大量の情報を整理したり、何かを選び出したりすることはないという。「メモ帳などは持ちません。最近は紙に字を書くこと自体ほとんどなくなりました」と笑う。

 まずは浅く広く情報を仕入れて頭の片隅にとどめておき、深い知識が必要になったらそのときに探せばよい。本当に重要な情報は、テレビや新聞などいくつものメディアを見ていれば自然と何度も引っかかってきて、記憶に残るはずだと考えている。

 思いついたことや重要なことは、その日のうちにメールやブログに書いておく。逆に忘れてしまったことは、しょせん重要ではなかったのだと割り切る。「こういうやり方は、10年前なら無理だったと思います。現在、それが成立するのは、Googleのような検索エンジンや、feedpathのようなネットサービスが発達してきたからでしょうね」。“以前ちらっと目にしたあれ”を、あとから知りたいと思ったとき、現代ならば調べる手段はたくさんある。Web時代ならではの情報処理法だ。

 徹底的に紙や手書きのメモを使わないようにしている。会議などでもほとんどメモはしない。プレゼンをするとき、資料を紙に印刷して配る人は多いが、小川さんは配らない。「画面を見て理解できるように、“記録”より“記憶”に残るように、と考えてプレゼンを作っています」


自社サービスのfeedpathを使い込む

 feedpathを担当するプランナーの西川敦子さんは、会社ではThinkPad、家ではMacを活用している。西川さんの情報活用法も「あらゆる情報をデジタルにするのが基本です。再利用、再加工がしやすいですから」とのこと。たとえば、人と会って名刺交換をしたら、その後すぐに相手にメールを出す。コミュニケーションもできるし、相手の返信にはメールの署名に名刺と同じ情報が載っていることも多い。メールはGmailに転送して管理している。

 自らが担当するRSSリーダーサービス、feedpathはもちろん使いこんでいる。会社に来てメールチェックをしたら、feedpathに個人的に登録している40〜50個程度のブログで、更新したものをさっと読む。新着の更新を知らせてくれる自社のウィジェットも便利に使っている。あまり時間をかけたくないので、タイトルだけを流し読みして、気になる記事があったら全文表示にして読む。気になる記事、あとでゆっくり読みたいものはチェックを入れてアーカイブに移すこともできる。

yy_nishikawa.jpg 西川さんと愛用のThinkPad。こちらにも控えめにステッカーが

Mac3台で「情報はWebに」

 小川さんは会社・私物合わせて3台のMacを使いこなす。これらはすべてノートパソコンだ。8年ほど前まではWindowsマシンを使っていたが、客先に出かけてパソコンを開くときなどに、Windowsよりもスリープへの移行、復帰が早く、時間が節約できるという理由でMacにした。普段からずっと電源を落とさないで使っているという。

 Macについては「スリープモードのときにライトが点滅したり、一見無駄のように見えても、所有者に道具としての愛着を与えてくれるようにデザインされているところが気に入っています」と満足そうだ。

 3台のマシン間でデータがばらばらにならないように、情報はWebに保存する。メモ類はGmailを使って自分宛に送り、大きなファイルはMacユーザー向けのホスティングサービス、.macで同期を取る。以前は「情報はデジタル化して、まずハードディスクに」が原則だったのが、現在はデジタル情報しか取り入れなくなり「情報はまずWebに置く」に移行したそうだ。

 小川さんがかつて商社で働いていたころは、文書を作成したときはFAXで送って同僚と共有し、「誰かが持っている」という状態にしていたという。現在では、同じ考え方の延長線上でそれをデジタル化しているといえそうだ。

 毎日大量の情報を処理する小川さんは、やり取りをする場合は相手もまた大量の情報を処理しているのだろうと考える。だから「重要な内容は、何度でも言っていくことが大切です」という。一度言えば相手が覚えていてくれて当然だとは考えないことがポイントだそうだ。

 Web時代の「情報のインフレ状態」を嘆く人は多い。しかし、それに積極的に適応するとしたら、情報を浴びるように受け、忘れることを恐れず、重要なことについては自分から繰り返し発信する小川さんらのスタイルはひとつのヒントになりそうだ。

プロフィール
お名前 小川浩(おがわ・ひろし)
PC MacBook Black、PowerBook 12.1、MacBook Pro 15"
携帯電話/PDA(データ通信カードを含む) Vodafone Nokia 702NK II
デジタルカメラ Canon Ixy (400万画素)
ブラウザ Safari、Safari風のスキンに変えたFirefox
収集ツール(RSSリーダーなど) feedpath
メールクライアント Gmail
インスタントメッセンジャー iChat、MSN Messenger、Skype
よく使うショートカットキー とくになし
ファイル整理ツール(デスクトップ検索を含む) Spotlight
バックアップツール Gmail
検索サイト Google、テクノラティ、feedpath
Webメール Gmail
ブログ Typepad、MovableType
SNS mixi、GREE
ソーシャルブックマーク feedpath
Wiki なし
影響を受けた人/本/Webサイト ロバート・F・ケネディ/「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」(塩野七生)/Google Base
座右の銘 鶏口となるも牛後となるなかれ
手帳/ノート なし
ペン なし
その他小物(ICレコーダ、ポストイットなど) なし

お名前 西川敦子(にしかわ・あつこ)
PC iBook G4、ThinkPad
携帯電話/PDA(データ通信カードを含む) Docomo n701i
デジタルカメラ Canon IXY DIGITAL L3
ブラウザ Safari、Firefox
収集ツール(RSSリーダーなど) feedpath
メールクライアント Gmail
インスタントメッセンジャー MSN Messenger
よく使うショートカットキー とくになし
ファイル整理ツール(デスクトップ検索を含む) Googleデスクトップ
バックアップツール Gmail
検索サイト Google、テクノラティ、feedpath
Webメール Gmail
ブログ MovableType
SNS mixi、GREE
ソーシャルブックマーキング feedpath
Wiki なし
影響を受けた人/本/Webサイト 「以上、現場からでした。」安藤優子
座右の銘 なし
手帳/ノート なし
ペン なし
その他小物(ICレコーダ、ポストイットなど) なし

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