仕事のできるビジネスパーソンであれば、情報収集には全力を注ぎたい――。RSSチャンネルとロケフリを使った情報収集術をご紹介する
連載第4回では、「RSSチャンネル」と「ロケーションフリープレイヤー」を中心に、ブラウザとはひと味違ったネット利用をご紹介しよう。
※本連載で使用しているPSPはファームウェア・バージョンを「2.80」(記事執筆当時の最新版)にしております。本文中に登場する機能は最新版ファームウェアが必要となる場合がありますので、PSPの公式ページをご確認し、必要に応じてファームウェアをバージョンアップしてください。
Biz.IDの読者の方なら、RSSという言葉を聞いてすぐピンとくる方も多いと思う。ITmediaでもRSS配信を行っているが、PSPの「RSSチャンネル」では残念ながら利用できなかった。テキストベースのRSS配信全てが利用できないというわけではないが、文字エンコードがUTF-8であることなどの制限があるのも事実。現在のところは、動画や音声コンテンツ向けのRSSリーダーと理解したほうがよさそうだ。
とはいえ、PSPのファームウェアバージョン「2.80」からはビデオポッドキャストも利用できるようになり、動画情報がより手軽に引き出せるようになった。
今やポッドキャストは旬。ニュースやラジオ番組のネット版といったような定番モノに加え、最近では個人ユーザーもブログでポッドキャストを行っているケースも多く、今後面白いコンテンツもたくさん出てくるだろう。情報収集にはもってこいのポッドキャストを早速トライしてみよう。
筆者が運営しているオンラインゲーム「ブライトキングダム」でも、ユーザー向け最新情報をRSS配信している。
ただ、恥ずかしながら筆者はRSSがどういう仕組みで成り立っているのかよく知らなかった。だが、RSSリーダー等を使えば便利な結果が得られるということだけ知っているのである。それと同様に、PSPの「RSSチャンネル」だって細かい仕組みはよくわからないが、便利な結果さえ得られればそれで良いわけだし、PSPは本当に手軽にそれを実現できてしまう端末なのだ。
誤解を怖れずに言うと、PSPの「RSSチャンネル」は、ネット上で公開されているポッドキャストを登録しておき、無線LAN経由で最新のものをワンタッチでゲットする――機能として利用している。
PSPのブラウザを起動して無線LANに接続できたら、メニューから[ブックマーク]−「PSP」を選択。最初に表示される地域選択のページで「Japan」にカーソルを合わせて[○]ボタンを押す。表示モードが「スマートフィット」だと地域選択ボタンがズレて見えない位置にレイアウトされるので表示モードは「標準」にしておこう。
次に表示されるメニューページから「一般サイトへのリンク」を表示させると、上部(原稿執筆時。ページ内の構成によってはレイアウトが変更される場合があります)に「RSSチャンネルを楽しめるサイトリスト」があるので、これを選択。「RSSチャンネルで楽しめるサイト」として、「ラジオ局」や「ニュース」のカテゴリが用意されている。RSSチャンネルの登録後、なぜかページに戻ってこられない場合があったので、このページをブックマークしておくと便利だ。
では、さっそく登録をしてみよう。ここからは表示モードを「スマートフィット」にしたほうが見やすいかもしれない。
「RSS」あるいは「RSS登録」などと書かれているボタン画像にカーソルを合わせて[○]ボタンを押す。すると「RSSチャンネルに登録しますか?」というメッセージが出るので「はい」を選ぶ。これで登録は完了。カンタンだ。
登録できたら[×]ボタンを押して一度ブラウザを終了させる。そして「インターネットブラウザ」の上にある「RSSチャンネル」を選択しよう。さきほど登録したポッドキャストのアイコンがあるはずだ。
あとはここで[○]ボタンを押して決定していけば、このコンテンツを利用できる。ただし、更新されていない場合や「アイテムがありません」と表示される場合があり、こればっかりは配信元の更新だけが頼りだ。
登録後にブラウザを終了させた段階で、無線LAN接続が切断されてしまうのはやや惜しい。おそらく接続しっぱなしになることで電池を消耗してしまうことへの対策と思われる。PSPの仕様に、無線LAN使用中は電源アダプタを接続していても、充電されない――というものがある。何はともあれ、バッテリーの残量には充分注意しておこう。
公式サイトからリンクされているRSSを登録して感覚を掴んだら、自分に合ったポッドキャストコンテンツを探して登録すると良いだろう。他のポッドキャストを扱っているサイトであっても、「RSSボタン」の画像を目安にすればいいが、サイトによってデザインはまちまちだし、「iTunesに登録」や「パソコンで再生」というボタンがその役目をしている場合もある。このあたりは手探りするしかないだろう。登録しようとしたときに「RSSチャンネルに登録しますか?」と出るかどうかを目安に体当たりで挑もう。
なお、ポッドキャストアイテムは保存できる。保存しておけるアイテム数はPSP本体の「RSSチャンネル設定」が可能だ。使い道やメモリースティックの容量に合わせて設定しておくと良いだろう。
無線LANを通じて見られる動画コンテンツは、何もビデオポッドキャストに限らない。「ロケーションフリープレイヤー」を使えば、自宅のテレビアンテナと接続した「ベースステーション(LF-PK1)」からインターネット回線を経由して、PSPの無線LANでテレビ番組を受像することができる。
上図のとおり、自宅のテレビのアンテナ線をベースステーションにつなぎ、さらにブロードバンドルーターに接続。ベースステーションとPSPをセットアップして1対1の関係を築いたら準備は完了だ。
PSPを屋外に持ち出して、任意の無線LANアクセスポイントに接続し、ロケーションフリープレイヤーを起動。手元のPSPで見慣れたチャンネルが映し出されるのはなんとも感動的。自宅に「置きっ放し」のベースステーションは、PSPのためにせっせと受像してはエンコードし、PSPに向けてデータを流している。けっこう健気な周辺機器であるといえる。
※ロケーションフリーとPSPの接続に関しましては、公式サイトをご確認ください。
ネット全盛の現代でも、やはりテレビという「能動的にならなくていいメディア」というのは必要なはずだ。仕事術というといかに情報を効率的に取得し、整理し、糧にしていくかというアグレッシブなところを考えがちだが、能動的なPSPのネット機能の中にあって、ロケフリのような「身を任せる」コンテンツが同居しているというのはなんとも面白い。
今回は「RSSチャンネル」と「ロケフリ」を中心に、PSPならではの簡単な操作で、能動的にも受動的にも、情報を得ることについて触れた。ポッドキャストの隆盛も、PSPだけではなく、iPod等のメディアプレイヤー市場が発達したからこその流れだと感じている。PSPでそれらを受け取ることに慣れてきたら、次は「発信する」側に回るのも面白いだろう。例えば、RSSのドキュメント仕様は、PSPの公式サイトにきちんと掲載されている。
さて、この連載も残すところあと1回となった。PSPにインターネットブラウザが搭載されて1年。ゲームだけではないPSPの姿に再度スポットライトを当てようと書き綴ってきたが、すでに使いこなしている方には若干物足りない内容だったかも知れない。最終回は、私自身のPSP活用法を紹介させていただければと思う。
最終回は、しおにく氏とPSPの1日をお送りします。「はたらけしおにく」にて仕事中のライブ動画を配信しているしおにく氏ですが、実はカメラに映っていない手元にはPSPの充電スタンドがあり、無線LANに接続されたPSPが居座っているのだそうです。PSPを活用した仕事術――しおにく氏ははたしてどのように実践しているのでしょうか。
ハイファイブ・エンターテインメント代表。オンラインゲーム「ブライトキングダム」を運営しているほか、今秋「天道オンライン」をリリース予定。「『しおにく』はゲームプレイヤーにつけていただいた愛称」だという。仕事中の姿を「はたらけしおにく」でライブ中継中。ブログは「ネトゲナウブログ」。
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