ノートPCのパームレストの熱対策について、今回は「ファン付クーラースタンド」というアイテムを実験結果も交えつつ紹介しよう。
前回(8月21日の記事参照)に続き、今回もノートPCのパームレストの熱を下げる対策をご紹介したい。前回は熱を遮るクッションをパームレストに敷くというシンプルな方法だったが、今回はノートPCの下にUSB給電のファン付クーラースタンドを敷き、底部に風を当てて放熱を促す方法である。
パームレスト部の熱を下げるために、ノートPCの底部に風を当てるというのは、少し奇異に思える。どうせならパームレストに直接当てたほうがいいのでは、と思う方もおられるだろう。
しかし、もともとパームレスト部の発熱は、ノートPC本体内部の熱がこもっていることが原因であり、本体を効率的に冷却すればパームレスト部に伝わる熱を大幅にカットできるはずだ。
クーラースタンドなる製品は各社から発売されているが、今回は例としてエレコム「SX-CL02MSV」を用い、実際にどの程度熱が下げられるかを測定してみた。
ノートPCのCPU使用率がほぼ100%になるよう、動画再生などのアプリケーションを動作させた状態で1時間ほど放置し、発熱がピークに達した時点の温度と、その後クーラースタンドで30分ほど冷却した後の温度を測定してみた。
その結果、最高で摂氏44.3度あった表面温度が、クーラースタンドを利用することで37.4度まで低下した。約7度しか低下していないが、そのまま使い続けると低温やけどの恐れもある温度から、体温近くにまで低下していることを考えると、この差は非常に大きい。
これらの冷却効果はノートPCの種類や環境によっても変わってくると思われるが、今回実験に使用したノートPCはEfficeon/1GHz搭載モデルなので、より発熱量の多いCPUを搭載したノートPCであればさらに効果が高いことも考えられる。価格も2000円台と手頃なので、パームレストの熱に悩んでいる人はもちろん、CPUの熱暴走などの経験がある人は試してみる価値はあるだろう。
デメリットとして挙げられるのは、ファンを利用するため環境によっては風切り音が気になることと、PCの後部を持ち上げる形になるためにキーボードの角度が変わり、打鍵感がやや変わってしまう点だ。これらがどうしても気になる場合は、思い切って外付キーボードを使うのもテだ。次回はこの方法を紹介したい。
製品名 | SX-CL02MSV |
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URL | http://www2.elecom.co.jp/accessory/cooling-sheet/sx-cl02/ |
発売元 | エレコム |
実売価格 | 2980円 |
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