インターネット時代のお手軽英語勉強術――リーディング編デジタルワークスタイルの視点

英語は勉強したいけど、社会人だと仕事が忙しくて勉強するヒマがない――。そんな人にオススメのインターネット“お手軽”英語勉強術をご紹介します。

» 2006年10月11日 12時13分 公開
[徳力基彦,ITmedia]

 英語は勉強したいけど、社会人だと仕事が忙しくて勉強するヒマがない――そんな風に思っている人も多いことでしょう。

 最近はインターネットの普及によって英語のコンテンツは非常に手軽に入手できるようになっています。ひと昔前であれば、TIMESなどの海外雑誌や洋書など英語の文書は、ある程度お金を出して入手する必要がありましたが、今やインターネット経由で、無料でいくらでも良質なコンテンツに触れることができます。

 これを英語学習に活かさない手はありません。そこで、今回から数回に分けて、インターネット時代ならではのお手軽ね英語勉強術をご紹介していきたいと思います。まずはもっとも手軽に始められる勉強法である、「英語を読む」リーディングの勉強法をご紹介します。

ネット時代のお手軽英語勉強術:リーディング編

  • 自分の仕事に役立つ英語のブログを読んでみよう
  • 知らない英単語が怖い場合は、Googleツールバーを使ってみよう
  • 英語と日本語の同じ記事を並べて読んでみよう

自分の仕事に役立つ英語のブログを読んでみよう

 英語の勉強というと、とかく英語の教科書や参考書など英語の勉強自体が目的になっている文章を読むイメージがあります。でも、興味がない文章を読むほど苦痛なことはないものです。

 インターネットには多様な英語のコンテンツがありますから、これを使わない手はありません。特に、その代表といえるのが英語のブログです。

 最近では、大手ニュースサイトや超有名ブログなどの記事は、日本語に翻訳された情報も増えてきているので、無理に英語で読む必要がない場合も多くなっています。ただ、業界のご意見番的な有名ブログや、その道の専門家のような個人で運営されているブログは、英語でなければ読めないものがほとんどです。

 さらにブログであれば、週に数回程度の更新で、1つの記事が短かいものが多いですから、教材として使うにはもってこいです。そのブログを読むことによって、英語力の勉強と同時に海外の業界動向も把握することができますから一石二鳥。まずは自分の英語力にあった分量や内容のブログを探して見ましょう。

 どんな英語ブログがあるか知らないという方には、梅田望夫さんのブログ「My Life Between Silicon Valley and Japan」やKilimanjaroさんの「メディア・パブ」を読んでみるといいと思います。

梅田望夫さんのブログ「My Life Between Silicon Valley and Japan

 海外の情報を日本でいち早く紹介するのが人気ブログの早道――との指摘もありますので、慣れてきたら自分が読んだ英語記事を、簡単に翻訳して自分のブログで紹介してみるのもいいのではないでしょうか。

知らない英単語が怖い場合は、Googleツールバーを使ってみよう

 ある程度の英語は読めても、実際の英語のブログを読む際に心配なのは単語力でしょう。知らない単語が次々に出てくると、辞書で毎回ひくのも面倒くさくて嫌になってしまうという人も多いと思います。

 そんなときに便利なのがGoogleツールバーのマウスオーバー辞書機能です。使い方は簡単で、Googleツールバーをインストールするだけ。

 後はマウスオーバー辞書の言語設定さえ「日本語」が選択されていれば、英単語にマウスオーバーした際に自動的に意味を教えてくれます。ツールバーをインストールするのは、ブラウザの表示範囲が狭くなるから嫌だという方は、Googleツールバーをインストールした後に非表示にしてしまいましょう。

 ツールバーが非表示になっていてもマウスオーバー辞書機能は、ツールバー表示時と同様に機能しますから心配無用です。辞書を引くのがこれだけ手軽であれば、特殊な用語が多い業界ブログを読むのも少し気楽になるのではないでしょうか。

英単語にマウスオーバーすると自動的に日本語を表示する

英語と日本語の同じ記事を並べて読んでみよう

 日本語のガイドラインがない状態で、いきなり英語のブログを読むのは「敷居が高すぎる!」という方にお勧めなのが、すでに日本語に訳されている英語のブログを読む勉強術です。

 TechCrunchやenGadgetなどの米国の人気ブログは、すでに日本語版が運営されています。そこで、1日1つ同じ記事を見比べながら英語を読んでみましょう。

 ちなみに日本語と英語のブログを並べるときに、特に手軽なのがタブブラウザのSleipnirを使う方法。Sleipnirの右上のウィンドウメニューから左右に並べて表示を選択すると、2つのタブを簡単に左右にならべて表示することができます。

ウィンドウメニューのボタンを押してみよう
ブラウザのなかで複数のサイトを表示できる

 主な英語ブログの翻訳サイトについては、サイボウズ研究所のプログラマー・秋元裕樹さんのブログエントリが参考になります。

 CGM時代になって、ネット上には既に日本語だけでも大量の情報が溢れていますし、最近は情報が翻訳されるペースも速いですから、英語の情報をわざわざ読む必要はないと思う方も多いかもしれません。

 とはいえ、やはり英語の情報を読めるようになると、触れられる情報の量や質に厚みが出てきますし、せっかくインターネットのおかげで手軽に世界中の情報が入手できるようになったわけですから、全く読まないのももったいないと思います。

 英語の勉強と肩肘張って取り組むのではなく、仕事や趣味の延長で情報に触れて英語に慣れていくのも手です。「自分は英語が苦手」と食わず嫌いになっている方はぜひ試してみるといいでしょう。

筆者プロフィール 徳力基彦(とくりき・もとひこ)

NTT、ITコンサルを経て、現在はアリエル・ネットワーク株式会社プロダクト・マネジメント室マネージャ。ビジネスパーソンの生産性向上のためのソフトウェアの企画・開発やコンサルティング業務に従事するほか、グループウェアやブログ、仕事術などに関する執筆・講演活動を行っている。ブログは「ワークスタイル・メモ」と「tokuriki.com


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