Mozilla Japanは開発者を中心としたFirefoxに関心を持つ人のためのイベントを開催。発表によれば、Firefoxの次期バージョン「Firefox 3」ではタブのグループ化やプレビュー、オフライン機能の充実などが盛り込まれそうだ。
Mozilla Japanは、開発者を中心としたFirefoxに関心を持つ人のためのイベント「Firefox Developers Conference 2006」を12月9日に都内で開催した。米Mozilla Corporationからやって来たエンジニアがFirefoxの次期バージョン「Firefox 3」について解説した。
Mozilla Corporationのブラジミール・ブキツェビッチ氏はFirefox 3について発表。Firefox 3の仕様はまだ固まっておらず、「まだアイデアの段階」としながらも「1つのウィンドウから別のウィンドウにタブを動かす」「これらは検索関連のタブ、これらは買い物関係のタブ……のようにタブをグループ化する」「新しく開くタブのプレビューとしてタブのスクリーンショットを表示する」などの開発構想を話した。
このFirefox 3のコアとなるのが、レンダリングエンジンのGecko 1.9だ。スチュアート・パーメンター氏は、Gecko 1.9について次のように話した。「Firefox 1.5ではGecko 1.8、Firefox 2.0ではGecko 1.8.1を搭載していたが、Gecko 1.8と1.8.1の違いはバグ修正のみであったのに対し、Gecko 1.9では全面的な改良を加えている」
Gecko 1.9では画像関連では写真などの発色がより鮮やかになり、画像本来の色をより再現できるようになったほか、アニメーションPNG(MNGとは別のもの)をサポートする。テキスト関連では「fi」「fl」のように連続した文字を結合する「合字」や文字間隔の調整機能が向上し、今まで不自然だったアラビア語などの文字間隔が改善される。さらに、Webメールやオンラインカレンダーなどをオフライン時に参照できるような、ローカル保存機能を充実させるとした。
さらに、WWWコンソーシアム(W3C)規格のCSS2.1に対応するほか、Web標準に適合したブラウザで閲覧するとスマイルマークを表示し、適合していないブラウザでは崩れた図になってしまうブラウザのテスト「Acid2 Browser Test」に合格したことも報告した。
開発が楽しみなFirefox 3とGecko1.9だが、12月8日にはFirefox 3の最初のα版となる「Gran Paradiso Alpha 1」が公開された(12月11日の記事参照)。Firefox 3のリリース予定は、Mozilla公式Wikiの開発ロードマップによると、2007年11月となっている。
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