2007年版ATOKと一太郎、5つの“エラいところ”(1/2 ページ)

ジャストシステムが「ATOK 2007」と「一太郎 2007」を発表した。Biz.IDでは、「使ってみたい!」と思った“エラい”機能をピックアップして紹介したい。

» 2006年12月13日 19時44分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 12月12日、ジャストシステムは、ワープロソフト一太郎の最新版「一太郎 2007」と、日本語入力ソフトATOKの最新版「ATOK 2007 for Windows[プレミアム]」を発表した。

 製品についての詳細は別記事に詳しいが(12月12日の記事参照)、ここでは、発表会では紹介されたさまざまな新機能のうち、筆者が「使ってみたい!」と思った“エラい”機能を紹介したい。

エラい機能その1:人が作った文書を見るときは「ビューアモード」で(一太郎2007)

 一太郎でもWordでもいいのだが、ワープロソフトを使っている時間のうち、自分がテキストを入力して文書を作っている回数は、実はそれほど多くない。実際に自分がソフトを起動するシーンを思い出してみると、一番多いのは「人が作った文書を閲覧している」ケースではないだろうか。

 一太郎2007では、利用シーンや目的に合わせてユーザーインタフェース(UI)が変化する作りになっており、それぞれのUIを「フェーズ」と呼んでいる。一太郎2007のフェーズは5種類。「エディタ」「アウトライン」「基本編集」「提出確認」「ビューア」だ。エディタとビューアの両フェーズは、一太郎2007で新しく搭載したフェーズだ。

「エディタ」フェーズ
「アウトライン」フェーズ
「基本編集」フェーズ
「提出確認」フェーズ

 すでにできている文書を閲覧するときには、ビューアフェーズを使う。このフェーズで起動すると、“文書を見る”のに適した一太郎が立ち上がる。カーソルが手のひら型になり、紙をつかんでスクロールする感覚で文書を閲覧できたり、必要なところだけ虫めがねで拡大して見られたり(込み入った表などを見るのに便利そうだ)、読み返したい機能の部分に「クリックマーク」というしおりを付けたりといった機能が使えるようになる。

 特に便利そうだと思ったのが、印刷イメージを縮小表示して、複数のページを一覧する機能。全体を見渡しながら、必要なページだけをピックアップして印刷できるのは、非常に直感的で使いやすそうだ。

「ビューア」フェーズ
一覧表示しつつ、必要なページだけをピックアップすることも可能だ

 そしてもう1つ、ビューアフェーズの最大の特徴は、「開いた文書を編集できない」ことにある。ビューアフェーズでは、入力・編集の操作が一切禁止されるため、「間違って閲覧用文書を編集しちゃった!」というミスが起きなくなる。なお、文書の編集や保存、印刷を禁じる「改ざん禁止」ボタンを「提出確認」フェーズに搭載している。より機密性の高い文書の改ざんや情報流出を防止する機能としては、こちらを利用しよう。

エラい機能その2:“文章を書く”ことに集中できるエディタフェーズ(一太郎2007)

 フォーマットが決まっているリポートやプレゼン資料、長いメールや英文メールなど、ワープロソフトを使わず長い文章を書くシーンは多い。こういうとき、プレゼンテーションソフトやメールソフトなどのソフトを立ち上げて、いきなり長文を書く人が多いのではないだろうか。

 記者や編集者の場合は、普段からテキストエディタを使って原稿を書いたり編集したりすることが多いため、文章そのものはテキストエディタで書き、最終的に必要なソフトに貼り付けて仕上げる人が多い。自分でもその方が、文章を書くことに集中でき、結局は早く仕上げられるという実感がある。

 新しく追加されたエディタフェーズでは、一太郎をテキストエディタとして使える。図などを省いてテキストだけが表示される。テキストエディタでは標準的な行番号/桁番号表示で、縦書き/横書きの両表示で利用できる。

 一太郎2007が他のテキストエディタと違うのは、改行やインデントの処理の簡単さを強調したところにある。文章を書くときに、メールソフトやWebブラウザなど、ほかのアプリケーションとデータをやりとりすることは多いが、このときに面倒なのが、レイアウトを保つための改行記号の処理だ。

 一太郎2007のエディタフェーズで文章をコピーし、ほかのアプリケーションに貼り付けると、行末の折り返し位置に自動的に改行が挿入され、行頭のインデントがスペースに自動変換されるので、きれいなレイアウトでテキストを貼り付けられる。逆にほかのアプリケーションからテキストデータを一太郎2007に貼り付けたときには、不要な改行記号を一括で削除できる。

エラい機能その3:mixi日記やブログを“うっかり消さない”(一太郎2007)

 機能デモを見ている途中、ちょっとした既視感におそわれた。画面にmixiの日記編集画面が出てきて「ブログを書くのに、Webブラウザの狭い入力画面では書きにくい……」という説明が始まったのだ。反射的に思い出したのが、ちょっと前に書いた記事「『書きかけのmixi日記を消してしまった!』を防ぐ」(10月23日の記事参照)と、ブログ入力機能が目玉であるタブブラウザ「Lunascape」の最新版(12月8日の記事参照)。Webブラウザでのテキスト入力をどうするか、というテーマは最近流行なのだろうか。

 一太郎2007にはInternet Explorer(IE)との連携機能があり、一太郎をIE 6とIE 7の入力ツールとして利用できるようになっている。IEの文字入力欄で右クリックして「一太郎でテキストを編集」を選ぶと、一太郎2007がエディタフェーズで起動する。文章を入力したあとに一太郎を閉じると、IEの文字入力欄に、入力したテキストが書き戻されるという機能だ。

 面白い機能だが、ちょっと気になった点もある。Webブラウザに書き込むテキストの場合は、例えば掲示板の書き込みなど、ほかの人の書いた文章を踏まえて書かなくてはならないことが多い。IEの表示画面を邪魔しない形で一太郎が立ち上がる(小さな画面で立ち上がるとか、後ろが透けるようになっているとか)ようでないと、実際にはちょっと使いにくそうだ。また、OperaやFirfoxといった、IE以外のブラウザにも対応してほしいところだ。

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