2007年版ATOKと一太郎、5つの“エラいところ”(2/2 ページ)

» 2006年12月13日 19時44分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]
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エラい機能その4:新エンジン搭載&候補提示の動的切り替え(ATOK2007)

 今回のATOK2007では、最新の変換エンジン「ATOKハイブリッドコア」を搭載し、従来以上に自然な変換が可能になっているという。

 新エンジンでは、前後の文節から意味を判断する機能を強化して、候補ウィンドウに表示される第2候補以降の候補順を動的に切り替えられるようになっている。例えば「こうじ」と入力して変換すると、現在のATOKの候補表示では「工事」「公示」などの一般名詞が、「浩二」「幸司」などの固有名詞よりも上にくる。ATOK2007でもこの原則は変わらないが、「こうじ」の前に名字が入力されていたり、「こうじさん」と入力して変換した場合には、人の名前であると判断して候補順を切り替え、「浩二」「幸司」などの固有名詞を上に表示するのだ。

 なお、Windows VistaがJIS X 0213:2004対応したことに伴い、例えば「森鴎外」の「鴎」の旧字なども表示できるようになった。変換時には、環境依存文字であることを指摘した上で、候補として表示する。

エラい機能その5:校正支援機能で“HDD内臓”を防ぐ(ATOK2007)

 Webサイトでよく見かけるのが「HDD内“臓”」という誤表記。よく見るなぁとは思っていたのだが、Googleで検索すると、なんと40万2000件もヒットするのだそうだ。

 ATOK2007では、“内蔵”と“内臓”、“消火器”と“消化器”など、間違えやすい同音語を変換するときに、ツールチップで「よく似た同音語です」と教えてくれる機能が搭載されている。また、ビジネス文書などを書いているときに不適切な表現をすると、「くだけた表現です」と指摘して訂正を促す機能も追加されたという。ちょっと怒られてみたいかも、と思ってしまった。

 このほか便利そうなのが、強化された日付入力支援機能。「一昨年」「来月」「金曜」と入力すると「2004年」「1月」「2006年12月15日」などと正確な日付に変換してくれる。個人的には「今って平成何年だっけ?」とよく分からなくなるので、こういう親切な機能はありがたい。

 また、今回のATOK2007では、ジョルダンの「乗換案内」との連携機能を搭載しており、同ソフトの情報を辞書コンテンツとして収録している。駅名の最初の数文字を打つだけで省入力候補として正確な駅名を提示してくれる機能は便利そう。乗換駅などで、よく「JRの駅名は分かるが私鉄の正確な駅名が思い出せない」ということがあるのだが、そういったケースで便利そうだ。変換候補の横には、駅の住所やその駅を通っている路線も表示され、さらに「地図」と書かれたリンクをクリックすれば、その駅の周辺地図も表示される。

 ATOKの単体パッケージである「ATOK 2007 for Windows[プレミアム]」では、このほかにさらに「会社四季報 企業名変換辞書 for ATOK」「説得できる英文 Eメール200の鉄則文例」「明鏡国語辞典・ジーニアス英和/和英辞典 /R.2」も含まれる。個人的に便利そうだと思ったのは、会社四季報。四季報に載っている会社の正式社名が変換候補として表示されるほか、英文社名、URL、証券コード、本社住所なども参照できる。

「京急蒲田」から羽田空港を参照
周辺地図を表示

プレゼンソフトはなぜ「Agree」?

なぜ「Agree」?

 今回一緒に発表されたのが、、統合ソフト「JUST Suite 2007」。一太郎2007、ATOK2007だけでなく、表計算ソフト「三四郎2007」、グラフィックソフト「花子2007」、メールソフト「Shriken Pro4 /R.2」、PDF作成・編集「Justsystem PDF Suite」などを組み合わせたオフィススイートだ。

 目を引いたのは、プレゼンテーションソフト「Agree 2007」。韓国のハンソフトが開発した「Hannsoft Slide 2007」を日本語化し、日本語フォントやイメージデータを追加したものだ。「一太郎」「花子」「三四郎」ときてなぜ英語の「Agree」? と不思議に思って問い合わせてみた。

 「提案、意見への賛成や同意を意味する“agree”という単語を製品名にしたのには、agreeという単語から、プレゼンテーションの成功を想起するだろうという気持ちがあります。あともう1つ、鈴木亜久里さんなど“アグリ”という人名もあるので、一太郎や花子など他の製品との整合性もあるかな、と思っています」(ジャストシステム広報部)


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