連載
» 2007年06月08日 14時16分 UPDATE

シゴトハック研究所:実践!シゴトハック:自分で立てた予定を守る(1)【解決編】

チーム内にペアを設けて、互いに仕事内容をシェアしたり、“つっこみ”を入れたりすることで、自分の仕事であっても異なる視点からチェックできるようになります。「ペア仕事術」を考えてみましょう。

[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題

 自分で立てた予定を守るには?

 コツ:「相方」と手綱を握り合う


 たとえチームで共同作業をしていても、1人1人に割り当てられた仕事は自分1人で責任をもってやり遂げることになります。必要に応じてほかのチームメンバーにアドバイスを仰いだり、一部は手伝ってもらったりすることはあるにせよ、最終的に「自分の仕事」を終わらせるのは自分自身でしかないわけです。それゆえ、たとえ予定通りに自分の仕事を終えることができても、それは当たり前のことをしたに過ぎません。いくら大変な思いをして終わらせた仕事であっても、誰かに褒めてもらうということはほとんどないでしょう。もちろん、褒めてもらいたいから仕事をするわけではありませんが、

  • 大変な思いをして仕事を終わらせた → 当然だ

 というアクション(終わらせた)とフィードバック(当然だ)が繰り返されると、どんなにその仕事が楽しいと感じられていたとしても、手応えの乏しさから空しさを感じてしまうかもしれません。いわゆる「燃え尽きる」感覚に襲われるのです。また、お金のためだけに働いているわけではないにしても、仕事の対価が支払われるタイミングというのは、仕事をやり終えたタイミングからは遠く離れすぎていて、いまいち実感がわかないということもあるでしょう。

 前回、「人は行動した結果がすぐに得られないと分かるとなかなか取りかかれないもの」という話を書きましたが(6月1日の記事参照)、ここでも同じメカニズムが働いています。つまり、

  • 大変な思いをして仕事を終わらせた → (数週間) → 対価の支払い

 というタイムラグがあれば、報酬としての効果が薄れてしまう──言い換えれば、文字通り「報われる」という感覚が希薄になるわけです。

相方を1人決める

 何人もの部下を束ねる立場にあるリーダーにとっては、メンバー全員にケアを行き届かせるのは容易ではありません。「せっかくこんなにがんばったのに、リーダーは全然認めてくれない」という空しさを感じるのは、こういった状況を考えればある程度は仕方のないところかもしれません。

 そこで、上ではなく横に目を向けてみます。立場的に上にいるリーダーではなく、同じ立ち位置にいるメンバーや同僚です。彼らも同じように役割と責任を背負って仕事に取り組んでいるはずですから、リーダーよりも気持ちの面では多くを理解し合うことができるはずです。もちろん、リーダーを蚊帳の外に置くわけではありませんが、メンバー同士でのコミュニケーションを増やして、つながりを強化することは、仕事のモチベーションを維持する上で役に立つはずです。

 具体的には、一緒に仕事をしているメンバーのうち常にお互いの仕事の進捗状況を共有しあう「相方」を1人決めるようにします。つまり、ペアを作るわけです。例えば、1人のリーダーと6人のメンバーからなるチームの場合は、3つのペアができることになります。

 ペアを組んだメンバー同士は、次のような“共有設定”を行います。

  • Googleカレンダーで一日の作業予定を漏れなくシェアする
  • 時間を決めてお互いの作業予定について“ツッコミ”を入れ合う

Googleカレンダーで一日の作業予定を漏れなくシェアする

 Googleカレンダーには指定したユーザーにのみ予定を公開する機能がありますから、これを使って、相方と一日の作業予定をシェアするようにします。この予定には、外出やミーティング以外にも、自分一人で進めるタスクも漏れなく書き込むようにします。

 そして、単に予定を見せ合うだけでなく、一日の仕事が進む中で、この予定を実際の仕事の進捗に合わせて更新していくのです。こうすることで、仕事の合間に相方のカレンダーをチェックすると、予定通りに仕事が進んでいるのか、途中で予定外作業などの対応によって遅れが発生しているのかが一目で分かるようになります。もちろん、相方もあなたの進捗を随時チェックできる状況にあります。

 仕事が忙しければ、いちいち相方の進捗まで把握している余裕はないかもしれませんが、このように「見ようと思えば見られる状況」を作ることで、自分の作業予定が自分だけのものではなくなるのです。

 チームで仕事をしている以上は、自分で立てた予定であっても、それはチーム全体のスケジュールに沿ったものになっているはずですから、チームの予定です。でも、その具体的な進め方や時間配分については、個人の裁量に任されているのが現実でしょう。すると「自分で立てた予定なのだから」ということで、自由に動かすことができるような錯覚が生まれます。実際のところ、動かすことは可能でしょう。でも、予定を動かすことは未来の余裕の前借りであって、結果として受け入れなければならないのは、非現実的なまでのタイトなスケジュールかもしれません。つまり、自分で自分の首を絞めることになりかねないのです。

 そこで、ペアを作ってお互いに監視する体制を築くことで、これを未然に防ごうというわけです。

時間を決めてお互いの作業予定について“ツッコミ”を入れ合う

 さらに、毎日時間を決めて、ペアでお互いの予定についてすり合わせをする時間を持つようにします。このペア・ミーティングでは、お互いの予定を確認した上で、次のような“ツッコミ”を入れ合うようにします。

  • 「このタスクは本当に1時間で終わりそう?」
  • 「具体的にどのように進めるの?」
  • 「必要な資料は揃っている?」

 自分では分かっているつもりであったとしても、実際に“ツッコミ”を入れられることによって、うまく切り返せなければ、実はあいまいにしか理解できていなかったことが明らかになるでしょう。

  • 「実は、何とか1時間で終わらせたいだけだったかも。実際には2時間かかるかな」
  • 「あまり深く考えていなかったので、進め方を考えるというタスクを追加しよう」
  • 資料集めの時間を考慮していなかった」

 同じチームで仕事をしている仲間とはいえ、それぞれに異なる視点や考え方を持っているものですから、これをぶつけあうことで、予定における“地雷”を早期発見し、除去することができるはずです。

 次回は、具体的な事例をまじえながら、引き続き考えていきます。

筆者:大橋悦夫

仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『「手帳ブログ」のススメ』がある。


Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -