あのサービスの出力結果を、こっちのサービスに入力して、結果を表示する……。複数のWebサービスを組み合わせた簡単マッシュアップをドラッグ&ドロップで作れるとしたら?
複数のWebサービスを組み合わせて、新しいサービスを作り上げるマッシュアップ。GoogleやAmazonなどのWebサービス企業が提供しているAPIを組み合わせればサービスが作れるため、同様の機能をゼロから作ることに比べると作成は容易だ。
しかしWeb APIを使ったサービスを、一般のユーザーでも簡単に開発できるかというと、かなり敷居は高い。「ビジネスシヨウTOKYO 2007」のブースで北海道大学知識メディアラボラトリが展示している「C3W」は、そんなマッシュアップ的なものを、誰でも作れるツールだ。
「いろいろな部品を自由に組み合わせて、自分なりのツールを作る。一般のユーザーでもそんなことができるようになることを目指して開発をスタートした」(北海道大学知識メディアラボラトリ)
最新版のC3W(Clip-Connect-Clone for Web)は、さまざまなWebページからパーツを切り出して組み合わせ、連携して動くアプリケーションを簡単に作れるツールだ。
例えば、海外の株価情報Webページの企業名入力ボックスと、出力欄を切り抜いて貼り付け、その出力欄の内容を今度は為替変換を行っているWebページの入力欄に代入、結果を引っ張ってきて表示する──といったことが、ドラッグ&ドロップだけでできてしまう。企業名を入力すれば、各Webサービスを経由して、日本円の株価が画面に表示されるわけだ。こうして切り出し、組み合わせたパーツを、Excel上で1つの関数として利用することもできるという。
一般ユーザーをターゲットとしただけあって、操作は極めてシンプル。切り取りたいサイトを専用のブラウザで開き、[Alt]キーを押しながら切り取りたい部分を選択。ドラッグ&ドロップするだけで取り込める。専用ブラウザでは操作履歴も含めて切り取るところがポイントだ。つまりフォームに文字を入力して結果が表示されるサイトであれば、「フォーム」と「結果画面」の2つを切り取るだけで、「フォームに入力してEnterを押し、表示された画面のこの部分を表示する」という作業の流れをC3Wに取り込める。
課題はC3W、そしてそのプラットフォームである「IntelligentPad」がWindows上のローカルアプリケーションである点だ。「数年前にHTMLとJavaScriptとして出力しようという議論もあったが、当時はマッシュアップといった言葉もなく著作権的な観点からたち消えた」。今後はマッシュアップしたものをWebサービスとして公開できるようにすることも念頭に置いて、開発を進めていくという。
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