Zoho、2007年中に全サービスを日本語化

ワープロから表計算、CRMからWikiまで──全16種類にまで増加した、Webベースのサービス「Zoho」。年内に全サービスを日本語化し、対応を強化していく。

» 2007年10月05日 23時18分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 Webベースのオフィスアプリケーションの先駆者であるZoho。10月5日に横浜で開かれたユーザーイベントで、アドベントネットの山下義人社長は「2007年中になんとかすべてを日本語化したいと思っている」と話した。日本国内の開発リソースも増強し、日本語化にさらに力を入れていくという。

 既に「Writer」「Sheet」「Mail」「CRM」「Projects」でほぼ日本語化が完了しており、現在作業を進めているのが「Show」「Wiki」「Chat」「Meeting」「Notebook」「Creator」だ。

 PCにアプリケーションをインストールすることなく、Webブラウザだけあれば表計算やワープロなどを実行できるZohoシリーズ。現在は、オフィス系のほか、WikiやCRMなども含め全16種類にまで増えた。

 このところは8月にZoho Viewerを、翌9月にはZoho Businessを投入するなど、開発は急ピッチ。「67億人にフリーで利用してもらえるオンラインサービスにしたい」と山下氏は意気込む。

 「日本市場で、既存のオフィス市場を置き換えるのは無理かもしれないが、新興国で初めてPCに触るユーザーは、必ずオフィスアプリケーションを購入するわけではない。全世界で1%がZohoを使ってくれるだけでもビジネスとしてはやっていける」

Zoho各種サービスを統合する、“エクスプローラ”のようなWebサービス

アドベントネットの山下義人社長

 Zohoが目指す方向の1つは、デスクトップPCから携帯電話までシームレスに使っていけるサービスだ。米携帯対応としては7月に「iPhone」に対応した「iZoho」を提供し、積極的に対応を進めている。iZohoはワープロ、表計算、プレゼンテーションの3種類が動作する(編集可能なのはワープロのみ)Webアプリケーションだ。

 日本の携帯への対応についても期待が高まるが、「現在はパートナーとなる携帯キャリアを捜している状況」と山下氏。対応が難しい理由として、日本の携帯市場の独自性と、仕様が統一されていない点を挙げた。

 オフライン対応は、Zoho WriterがGoogle Gearsを使い先鞭を付けた分野。今後は「Zoho Sheet」「Zoho Show」の順で対応を進めていくという。

 「ただし個人的にはオフライン対応は必須ではないと思っている。オンラインのサービスにブロードバンドが必要なのは当然。あまりオフライン化に投資しすぎると道を誤る」(山下氏)

 現在Zohoは、パーソナル、ツール、ビジネスの3分野をカバーしていく方針だ。パーソナルは主にオフィススイートの代替、ツールは補助系アプリ、ビジネスはCRMなど企業利用向けとなる。ただし、パーソナル向けは無償提供を継続する。「個人利用のZohoはフリーで継続する。高度なパーソナルユースはZoho Personalを提供して課金する予定だ」

 ビジネス向けではSaaSモデルでの提供のほか、企業のイントラネット内のサーバにインストールする形のモデルも用意している。「特に日本の企業は、外部のサーバに自社のデータを保管することを嫌がる」(山下氏)ことへ対応した形だ。

企業向けの「CRM」「Projects」「Meeting」「Creator」は単独課金

 今後の開発の方向性の1つは、数多くのWebオフィスサービスを統合していくプラットフォームだ。

 「みんながWebを使うとき何から使うのだろう? 1つはWebOS。Webデスクトップを使うことで、どこに行っても自分のデスクトップと同じことができる。でも、ここではまだコミュニケーションは発生しない。作業したものをアプリケーション間に渡って使い回す、そういうものがまだない。(Windowsの)エクスプローラのようなものを作っていきたい」(山下氏)

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