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» 2007年12月07日 16時40分 UPDATE

新しいオフィス環境──オフィス移転、レイアウトのポイント:成功率100%のオフィス移転マニュアル──移転計画とオフィスの物件探し

オフィス移転において、物件探しは重要なポイントだ。しかし、立地や賃料、入居日など、さまざまな制限がある中、やみくもに見て歩くだけでは希望の物件に巡り合えないどころか、時間や労力の無駄を重ねることになりかねない。オフィス移転を成功へと導くために、まずは移転計画の作成から始めよう。

[SOS総務]
SOS総務

 オフィスの移転でまず課題となるのが、新しいオフィス(物件)探しだ。探し始めると、毎月の賃料や立地条件、入居できるタイミングなどの要件がうまく合わなかったり、必要な事務所スペースがこれで本当に適当なのかが分からなくなってきたりと、頭の中がパニック状態になることも少なくない。同時に多くのことを進めていかなければならないのが、オフィス移転の難しさといえるだろう。このような業務を少しでも軽減するために有効なのが、移転に関する要件を整理した「オフィス移転計画書」を作成することだ。

移転目的や要望などを明確化し、移転計画書を作る

ks_office02.jpg 【PDFをダウンロード】オフィス移転計画書シート(例)

 以下に「オフィス移転計画書」を作成するポイントをまとめた。

  • 移転の目的を明確にする
  • 大枠のスケジュールと概算予算を立てる
  • サンプルレイアウトを作り、必要な坪数とオフィスのイメージを作る
  • 今のオフィスの問題点を把握する

 これらは移転業務のベースになるものなので、簡単な計画書であっても必ず盛り込んでほしい。特にサンプルレイアウトやマスタースケジュール、概算予算などは、明記しておくことで移転計画の概要がイメージできるため、関係者にも理解を得られやすくなるというメリットもある。

 また右の「オフィス移転計画書シート(例)」にあるように、自社内の現状や要望を把握しておくことも大切だ。ここで意識したいのが、オフィス移転を考える場合には、経営層と従業員、管理系部署という3つの見方があるということ(下図)。オフィスの要求事項にそれぞれの視点を取り入れることが、完成度の高い計画書を作成するコツといえるだろう。

 ここまで準備ができて初めて、物件探しなどの具体的な調整に入ることになる。気持ちのあせりから移転の概要が不明確であるにもかかわらず、とにかく何件も不動産を内見したといった話をよく耳にするが、これは時間の無駄遣いでしかないので、注意しよう。

ks_office1.gif

移転をビジネスチャンスに! 経営戦略と連動させた目的を立てる

 オフィスの移転は、自社のアピールチャンスでもある。たとえば、上場する際にマスコミや業界にインパクトを与えるようなオフィス戦略を打ち出し、投資家の興味を引き付けるなど、移転をビジネスチャンスにつなげているケースも少ない。

 このような場合、経営戦略と連動した移転目的を具体的に検討することが大切となる。また、ビジネスチャンスを作るだけでなく、「部門間の壁を取り払い従業員のモチベーションを上げる」「3つのオフィスを集約することで費用負担を軽減する」など、移転はさまざまな問題解決のきっかけにもなり得るのだ。自社の状況に応じた戦略的な目標設定を心掛けたい。

賃貸契約を交わす際に注意したいポイント

ks_office03.jpg 【PDFをダウンロード】契約時チェックシート

 バブルのときの賃料の上昇、その後の急激な下落に続き、また上昇を始めたオフィス賃料の市場は、安定感が全く見えてこない。バブルのような高騰はないとしても、たとえば3カ月前まで坪1万8000円のオフィスが坪2万5000円に上がるというのは、何の根拠があるのだろうか。

 2000年3月に施行された「定期借家契約」は、このような問題を解決するのに役立つ契約になっている。オフィスにおける「定期借家契約」は、オフィススペースを期限付き所有権として売買契約をするというもので、一般的な賃貸借契約とは異なり、契約期間はこちらのニーズに合わせて決めることが可能となっている。

 定期借家契約の代行を手掛けるコンサルタント会社では、依頼を受けた企業の財務内容などを同業他社と比較して、企業の信用力を算出することがある。これにより、信用力の低い企業は倒産などで契約期間中に退去する可能性があると判断され、そのリスクが賃料に上積みされることも……。これは、客観的な数字を提示することで「貸し手」と「テナント企業」の間の合意を取り付けるサービスであり、結果として、貸し手には安定的な収益が約束され、テナント企業にはコスト削減の成果が残るというわけだ。

ビルそのものの性能や設備もオフィス選びの大切な基準

 新しいオフィスを選ぶ際には、「賃料」や「立地」を基準に判断するケースが多いようだ。重要度から考えれば当然の選択といえるが、これ以外にも検討すべき項目は多い。

 たとえば、オフィスが入っている建物の環境(ビル環境)もその1つ。オフィスには快適に仕事ができる環境が欠かせないが、ビル環境はこのオフィスの仕事環境に大きく影響してくる。特に設備面はビル自体の性能などに左右される部分が多いため、希望通りに変更できないという事態も起こり得る。契約をしてしまってからではあとの祭り。新しいオフィスを選ぶ際には、そのビルの性能や設備の評価も忘れないようにしたいものだ。

『月刊総務』2006年10月号 総務のマニュアルより

執筆:スターティア株式会社

ファシリティソリューショングループ 栗原 雅


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