iPod shuffleで、なんちゃってワイヤレスヘッドフォン文具王の「B-Hacks!」

「iPod shuffle」の1Gバイトモデルがそれまでの9800円から5800円に安くなった。ということで購入したshuffleと愛用のヘッドフォン「QuietComfort 3」を組み合わせてみた。

» 2008年03月14日 18時21分 公開
[高畑正幸,ITmedia]

 「iPod shuffle」に2Gバイトモデルが登場して、1Gバイトモデルがそれまでの9800円から5800円に安くなった。ということで、今まで迷っていたiPod shuffleだが、やっぱり購入することにした。

 iPodの容量が増え、機能が増えるに伴い、筆者もどんどん新しいiPodに機種を変更してきた。クラシックから数えると、iPhoneも含めて6台目になるが、shuffleの購入は初めてだ。iPhone(もちろん日本では電話機能は使えない)とiPod touchは、ほぼ画像ビュワー専用機として購入したので、音楽プレーヤーとしてはノーカウント。それ以外はすべてクラシックタイプである。自分の所持するCDのデータを選択せずにすべて放り込めるということに魅力を感じていたので、常に大容量のものに乗り換えてきた(故障以外は他人に譲ったりしているので、所持しているのはいつも1台だが)。

 容量が少ないshuffleには、2シーターのロードスターをセカンドカーとして所持するような贅沢感があり、なかなか購入する気にならなかった。しかし今回5800円という価格に、ついクラッときて購入に至ったのは、実は明確な目的があった。それが“ワイヤレス化”である。

 筆者は、長い時間電車に揺られて会社に向かう。その間、読書しているか寝ていることが多いのだが、ヘッドフォンも使用している。使っているのはボーズの「QuietComfort 3」(2の頃から愛用していて2台目)。これまた贅沢なヘッドフォンだが、通勤電車の中で高性能なノイズキャンセリング機能は1度使ったら止められない。集中できる空間を購入すると思えば安いと思っている。

ボーズの「QuietComfort 3」

 このヘッドフォンを使ったことのない友人などにかけさせると、「思ったほど静かにならない」という感想を言う人が多い。実際ノイズキャンセル機能のスイッチを入れても、周囲の音が聞こえなくなるわけではない。しかし、実際の環境では、同じ騒音でも効果の感じ方が違ってくる。人の聴覚の指向性や感度の切り替え能力は非常に高く、ノイズキャンセルのスイッチが入っていても周囲の音に意識を向けると、ある程度の音を聞き取ることは可能だが、音楽を聴く時は流れてくる音に意識が向くので、外部の音は想像以上に“消える”わけだ。

 この差は、特にポッドキャストや英会話コンテンツなど、言葉を聞き取る必要のある物を再生したときに著しく、聴き取りやすさは段違いだ。この効果のおかげで、ボリュームをあまり上げなくても音楽等を楽しむことができる。総合的に感じる消音効果はかなり強力なのである。読書や考え事をする場合など、静かな音楽を流すと、周囲の喧噪をよそに自分の世界に入り込むことができる。

 しかしそんなお気に入りのヘッドフォンだが、ここしばらくはiPodには接続せずに「静かな耳当て」として、スイッチを入れて頭にかけるだけのことが多くなっていた(音楽を流さなくても、読書や睡眠にはかなり効果があると思うが)。

 理由は接続コードだ。筆者はどうも手際が悪いというか、動きが洗練されていないというか、とにかく動きのクセが悪いようで、コートやマフラー、カバンの肩ひも……、いろんなものにほぼ毎回コードが絡まって嫌な気分になる。カバンから出すと間違いなく100%絡まっている。ケータイが衛星と接続されて地球の裏側と交信できる時代に、筆者は「ひも」と格闘しているのである! ああ、なんて原始的! これが我慢ならなかったのだああ!

 ――失礼、少し取り乱してしまった。しかし、同様のイライラを経験したことがないという人の方が少ないんじゃないだろうか。ちなみに筆者は雨の日に3000年前から全く本質的進歩をしていない「傘」をさすのも気に入らない。雨の日の運転でワイパーを動かすのも不愉快だ(1億円以上もする高級車でもいまだにワイパーで雨をぬぐうとはどういうことだ!)。MPEGプレーヤーがどんなに小型化されても、ヘッドフォン(イヤフォン)のコードが存在することに代わりはない。そういう意味では、アップルのMacBook Airのようなぜーんぶワイヤレス構想には大いに賛成である。

 一時期はこんな製品にも期待したりしたが、ノイズキャンセルや耳アタリなどの感じから、やはりこのQuietComfortは譲れない感じだ。

 そこで今回は、“理想のヘッドフォン”を無理矢理作ろうと思ったのである! ……といっても作り方は簡単。

“理想のヘッドフォン”の作り方
材料 お好みのヘッドフォン
iPod shuffle
「イヤホン巻き取り for 2nd iPod shuffle」(レイ・アウト)
両面テープ(厚みのある強力なもの)
作り方 1:ヘッドフォンのケーブルを、「イヤホン巻き取り」にグルグル巻き付ける。
2:「イヤホン巻き取り」を両面テープでヘッドフォンに直接張り付ける。
3:ノイズキャンセリングタイプの場合、外部の音を拾うマイクをふさがないように注意!
4:iPod shuffleをセットする。
5:完成。
「イヤホン巻き取り for 2nd iPod shuffle」(レイ・アウト、左)に、ヘッドフォンのケーブルを巻き付け、両面テープでヘッドフォンに直接張り付ける

ノイズキャンセリングタイプの場合、外部の音を拾うマイクをふさがないように注意(左)無事できあがると右の写真のようになる

 さあ、これで夢のワイヤレス(?)ヘッドフォンが完成! これで肩ひももマフラーも引っかかることは一切ナシだ! 重さも、もともとのiPodに比べるとshuffleは軽いし、反対側にバッテリーが入っているのでバランスも気にならない。強いて言うなら、外してカバンに入れるときには引っかかりやすくなったが、頭か首にかけていれば問題ない。

 ま、見た目は一昔前の、B級SF映画に出てくる宇宙船乗組員のヘッドセットのようでビミョーな感じだが、そこをあえて無視すれば実に快適である。面白いのは、このヘッドフォンの見せると、なぜかほとんどの人は「Bluetooth?」と聞いてきたりする。確かに、外付けのワイヤレス受信機は存在するだろう。だが、あったとしてもこれより小さくなるかは疑問。それほどshuffleが小さいということだ。

 余談だがボーズのQuietComfort 3に対しては1つ大きな不満がある! それは接続ケーブルだ。この製品、航空機用のモノラル2本ジャックとか太いジャック用の変換アダプターとか収納ケースとか、そういう付属品は付いているが、肝心の入力用ケーブルはロングタイプのケーブルしか付属しておらず、ショートタイプはオプション販売もしていない。

 付属のロングケーブルは長さが133センチもあり、普通に使っていても余って仕方がない。特に現状、日本の音楽再生プレーヤーは、プレーヤーそのものが小さいか、そうでなければ中間部分にコントローラーが付いているものが多い。そういうものの場合、ケーブル長は50センチでも長いと感じる。今時133センチなんて長すぎる。しかも本体に差し込む部分がこの機種専用で通常のミニプラグよりも小さく(直径2.5ミリのミニタイプと直径は同じだが、絶縁部分の位置が異なるので使用できない)、ほかのケーブルが一切使えないのだ。ここを専用にする意味が分からない!! よっぽど切断してハンダ付けしようかと思ったが、ケーブルだけでも2000円もするので、今回は思い止まった。何とかしてくれボーズさん!

著者紹介 高畑正幸(たかばたけ・まさゆき)

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 1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。


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