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» 2008年04月25日 10時22分 UPDATE

シゴトハック研究所:読むべき本が多すぎて困る【解決編】

読書のための秘書を持つことが、計画的な読書には重要。Webにはそんな“秘書”となってくれるサービスがあります。そのうちの1つ、「MediaMarker」を例に、読書のライフサイクル管理法を紹介します。

[大橋悦夫,ITmedia]

今回の課題

今回の課題:本を効率良く読み進めるには?

コツ:ツールを使って読書のライフサイクルを管理する


 昨今ではWebを通じての情報収集がしやすくなり、たいていのことはWebで調べれば事足りるようになっています。新聞の購読をしていない、という人も少なくないでしょう。そんな中にあっても、本の重要性は揺るぎないものがあります。理由は次の2つです。

  1. 手間と時間をかけて作られている
  2. 体系的にまとめられている

 Webの情報はスピードと広がりにおいて本を圧倒しますが、その一方で正確さや深みの面では本に一日の長があります。例えば、1つの記事について、ソーシャルブックマークやブログでの言及をたどっていくことで、その記事がどのように解釈されているか、あるいは評価されているかを知ることができます。でも、そうした探索行為には手間がかかりますし、際限がありません。また、正確性を担保するものもありませんから、その活用にはリスクを伴います。

 その点、本は著者をはじめ、出版社の編集者や校正者など複数の人の共同作業で時間とお金をかけて作られるという利点があります。本という1つのパッケージにまとめられるため、少なくとも1つの軸に沿った体系的なコンテンツとなり、読者の頭の中にその分野なりテーマに関する“支柱”を形成する上で役に立つからです。

 とはいえ、ほかの知的活動と同様に本を読むのにも時間が必要ですから、本を読もうとすると、次のような課題に直面することになります。

  • 自分にとって必要な本を見つける方法
  • 本を読む時間を確保する方法
  • 読んだ本の内容を行動に生かす方法

 問題編では、「読むべき本が多すぎる」ことが課題になっていましたので、今回は2つ目の「本を読む時間を確保する方法」について考えていきます。

読書のための「秘書」の必要性

 手元に本が1冊しかないということであれば、話は簡単でしょう。空き時間ができたらその本を読めば済むからです。問題は、読もうと思って購入した本を大量に抱え、どの本から読めばいいのかの判断に悩むところにあります。そうこうしているうちに新刊が出れば、「とりあえず買っておこう」ということで、読むべき本は増える一方になります。

 どの本を読むかを選ぶのにも時間は必要ですから、それによって本を読むための時間が圧迫されることになります。そうなると、とりあえず手に取りやすい本、読みやすい本、装丁が魅力的な本など、本質的ではないところを判断基準にしてしまいかねません。

 この問題に対処するには、望ましい読書をサポートするための秘書が必要になります。もちろん、人を雇う、ということではありません。次のような、たくさんの本を抱えている状況で発生する課題を手際よく解決するための手段を持つ、ということです。

  • いま読んでいる本を忘れないようにする
  • 次に読もうと思っている本を忘れないようにする
  • 次に購入しようと思っている本を忘れないようにする
  • すでに読んだ本から学んだことを忘れないようにする

 いずれも、人が頭の中だけで管理するのは困難なものばかりでしょう。手元にある本に限っても、本棚に入っていたり、食卓に置いてあったり、カバンの中にしまってあったり、あるいは会社の自分の席にあるということもあるかもしれません。

 そうなると、いまこの瞬間に自分がどれだけの本を読み進めているのかの全容が見えにくくなります。それは、数え切れないくらいの球を使ってジャグリング(お手玉)をしているようなものです。気づかぬうちに放置される本も出てくるでしょう。

 この問題の解決方法は、自分が持っているすべての本について、そのステータス(状態)を一元管理することです。ステータスには次の4つがあります。

  1. 欲しい
  2. 未読
  3. 読中
  4. 読了

 今回対象としているのは、手元にある本ですから上記では2〜4までの3種類のステータスということになります。これら読書のステータスを管理してくれる「秘書」のようなツールがあります。

 いずれも、ユーザー登録をすることで、オンライン上に自分の仮想的な本棚を持つことができるサービスで、上記4つのステータスを管理することができます。

 それぞれに特徴がありますが、今回は筆者も活用している「MediaMarker」を例に、本のステータスを管理する方法をご紹介します。

読書のライフサイクルを管理する

 まず、ユーザー登録を済ませると自分用のスペースが設けられます(MediaMarkerでは「バインダー」と呼ばれる)。以下は筆者のバインダーで、プルダウンの選択肢にあるように、未読・読中・読了というステータスによって絞り込み表示をさせることができます。

ks_shack_book1.gif

 また、本個別に読書メモを残すことができ、後からこの読書メモを対象に検索もできます。

 ステータスの変更や読書メモの追加など、何らかの変更作業を行うとその本はリストの一番上に上がってきますから(並べ替えを「更新日」に設定してある場合)、リストの上部にはいまの自分が関心を持っている本が集まることになります。

 その一方で、相対的に関心の薄れてしまった本はリストの下部に押し下げられていきます。行方不明になると発見が困難な実際の本棚と違い、「未読」のみの絞り込み表示させることで発掘できますから、そこから“復活”させることも容易にできるでしょう。

 さらに、これは筆者も実践していることですが、週に一度このサイトで自分の「本棚」を棚卸しして、来週はどの本を読み進めるかを決めるためのレビューをするといいでしょう。読み始めたもののいつの間にか放置していた本に再び取りかかるきっかけが得られ、旬を逃さないようにできますし、何よりも、「読むべき本が多すぎて何もかもイヤになり、結局だらだらとWebサーフィンに時間を使ってしまった」といった残念な結果を未然に防ぐことができるからです。

 以上をまとめると、このサイトで読書の管理を続けていくことによって、次のようなメリットが得られるはずです。

  1. いまどの本を読むべきかが分かる
  2. 買ったまま放置していた本を発掘できる
  3. 読んだ本についての読書メモを一元管理できる

 一言でいえば、読書のための時間を有効に使うことができる、ということになります。

 来週からのGWは、読書のためのまとまった時間が取れるいい機会かと思いますので、ツールを使って効率良く読み進めてみてはいかがでしょうか。

筆者:大橋悦夫

1974年、東京生まれ。ブログ「シゴタノ!仕事を楽しくする研究日誌」主宰。学生時代よりビジネス書を読みあさり、システム手帳の使い方やスケジュール管理の方法、情報整理のノウハウなどの仕事術を実践を通して研究。その後、ソフトウェアエンジニア、テクニカルライター、専門学校講師などを経て、現在は仕事のスピードアップ・効率アップのためのセミナーや研修を手がける。デジタリハリウッド講師。著書に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)『スピードハックス 仕事のスピードをいきなり3倍にする技術』『チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術』『そろそろ本気で継続力をモノにする!』、近著に『Life Hacks PRESS vol.2』『LIVE HACKS! 今を大切にして成果を5倍にする「時間畑の法則」』がある。


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