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» 2008年05月02日 22時40分 UPDATE

文具王の「B-Hacks!」:“ベルクロハック”その1――モバイルPC編

モバイルに必須のアイテムは少なくない。ただし、便利なアイテムほどケーブルが抜けたりしないか気を使うものだ。そこで、こうした問題を解決する方法をご紹介しよう。

[高畑正幸,ITmedia]

 私がPCを使い始めたころは、デスクトップPCとノートPCの間にはかなりの能力差があり、あくまでノートはサブマシンとしてしか考えられなかったが、最近はノートPCの性能もデスクトップに遜色ないほど向上し、ずいぶん使えるようになった。実際、私も会社はデスクトップ機だが、私物PCは、もう数台前からノートしか購入しておらず、それがメインマシンだ。

文具王のモバイル必須アイテム

 バッテリーの持続時間も向上し、モバイルPCというのが十分実用としてアリな世の中になったものだとホントに思う。年寄り臭いことを言うようだが、今より数キロ重い装備に数十分しか持たないバッテリー(+予備)と、低速な通信インフラのなか、必死でPCを担いで出張に行ったのはたった数年前のことだ。

 私はMacユーザーなので、いまだ重量の面ではWindowsユーザーほど恵まれてはいないが、それでもほぼ毎日メインマシンを持って移動しており、モバイラーな生活を少しは楽しむ余裕も出てきたという状態だ。昔に比べれば増設の必要も少なくなったとはいえ、いまだに持ち歩く周辺機器は少なくない。私の場合、例えば、

通信端末 外部ストレージ 電源 周辺機器
アイテム イー・モバイル「D02HW」 2.5インチ400Gバイトの外付HDD
USBメモリ
電源アダプタ デジタルカメラのカードリーダー

 である。

 今のところここまではマスト。イー・モバイルは、いまだ無線LAN環境が十分でない日本ではありがたいデバイスだ。以前使用していたウィルコムに比べるとけた違いに通信速度が速い。ただし通信可能エリアがまだ狭く、大都市部でしか使えないという問題点があり、出張や帰省の時には注意が必要だ。その点PHSのウィルコムの方が通信可能エリアが広かったのだが、通信速度の差があまりにありすぎる。おかげで、今ではその辺のカフェやファミレスでもかなり快適に作業が可能になった。

  HDDは、容量が増えるごとに買い換えてきた。私は、欲張りで優柔不断なので、今まで作ったデータは可能な限りすべて持ち歩きたいし、持ち出し用と置いとく用のデータを分類するのが何より苦痛だ。マシン本体のHDD容量もかなり増えてきたとはいえ、まだ自分のデータの増加スピードの方がちょっと早い。

 画像データなどが多いので、今のところ外付けHDDは必須。例えば、私はiPhotoをデジカメ写真だけでなくスキャンした書類などの管理用としても利用しているが、メインのiPhotoライブラリは写真が2万枚以上で80Gバイトにも及ぶ。こんなものがいくつもあるのだ。普段は本体だけでもだいたい問題ないようにはしているが、それでもわりと頻繁にこの外付けも利用しているので、やはり外せない。だいたい家に帰らないと参照できないデータなんて結局使わなくなる。持ち歩かないなら存在しないに等しい。

マストなUSB機器ほど、ケーブルが抜けないかどうか気を使う

st_bu00.jpg D02WHは、USBポートからケーブルをのばして、その先にプラーンとつながってしまう

 なんでこんな話をしているかというと、例えばD02WHなんかは、ホントにモバイルしていれば、もう絶対手放せないようなアイテムなわけなのだが、このデザインがどうしようもない。(Windowsの方には、PCカード型タイプなどもあるが)USBポートからケーブルをのばして、その先にプラーンとつながってしまう。

 “ラップトップ”を文字通り本当に膝の上で使っている人はそう多くないかもしれない。だが、これらマストなUSB機器は、たいていそれ単体でデザインされていて、ヒョロッとしたケーブルで本体とつながるから、いくつかつながった状態は、とても不安定で、例えばちょっとデスクからミーティングテーブルに乗せ替えるだけでも、ズルズルとたくさんの周辺機器を引きずってしまう。ケーブルが抜けないように気を付けながら本体と一緒に動かすという面倒なことになる。

 特にHDDなど記憶媒体は不用意に切断されると、データが破壊される可能性もあったりするから危険ですらあるのだ。しかもたいていそんな時には、PC以外にも書類やケータイ、電卓など、別の物も持っていたりして、さらに危険であることが多い。

ケーブルが抜けがちな周辺機器の問題をスマートに解決する「ベルクロ」

 以前のヘッドフォンのハックの時にも書いたが、私はこのような状態が大ッ嫌いなのだ。本当にモバイルするなら、これら周辺機器の在り方も、もう少しスマートに解決したい。そこで私が用意したのが通称ベルクロ、いわゆる面ファスナーだ(実はベルクロは米ベルクロの商標、マジックテープはクラレの商標なのだ)。

st_bu01.jpg ノートPCの液晶モニタの背面にはメスを貼る

 ノートPCの液晶モニタの背面に面ファスナーのメス(ループ状になっている柔らかい方)を貼り付ける。そして、周辺機器にはオス(鉤(カギ)状になっている硬い方)を貼り付けておくのだ。これで、煩雑な周辺機器類を液晶ディスプレイの後ろに隠しつつ、本体と一時的に一体化できる。アンテナ類はもちろんだし、カードリーダーなども使いやすい位置に固定できてなかなか快適である。

 面ファスナーは、25×150ミリ程度のものであれば、オスメスの組で100円ショップなどでも購入できるが、今回のような使用方法の場合、オスとメスで使用する長さも頻度も全く異なるし、いろんな物に応用しようと思うと、それなりに長さが必要になる。用途に合わせて手芸店などで業務用のロール状のものをカットして購入した方がお買い得だ。私が使用しているの面ファスナーは片面が強力粘着テープになっているもので、ユザワヤで購入。剥離紙をはがせば普通のステッカーと同じように簡単に貼れる。


st_bu02.jpg 50ミリの幅広タイプ

 メス(柔らかい方)は、50ミリの幅広タイプ。PCの背面などベースになる側に使用するので、使う時は面積が必要。私は25メートル巻きを切らずにロールで購入する(笑)。幅や購入条件によってもかなりばらつきがあるようだが、1メートルあたり800〜1000円(オスとメスでも若干価格が違う)といったところ。後で買い足すのは面倒だし、切れ端をつなぎ合わせて使うと見た目が悪いので、見当より多めに購入することをお勧めする。ちなみにユザワヤの場合、25メートルを一度に購入すると30%引きになる。

 オス(硬い方)は、25ミリ幅を使用。こちらは、くっつける機器に貼る方で、だいたい数センチずつ細切れで使用するので、2メートルぐらいあるといろんな物にちびちび貼って使える。ちなみにこちらは1メートルあたり350〜450円。

 オスは鉤(カギ)状で、布などに引っかかりやすく、手ざわりも悪いので、広く使うベースの方をメスにして、周辺機器側をオスにするのが良いと思う。コツは、メスは思い切って広く貼っておき、オスは少なめに。

st_bu03.jpgst_bu04.jpgst_bu05.jpg イー・モバイルのD02HWや携帯電話、外付けHDDまでオスを貼り付けておく

見た目はイマイチかもしれないが、超便利!

st_bu06.jpg こんな感じで貼り付けられる。超便利!

 製品によってばらつきはあるが、広い面積で貼り付けると、想像以上に強く貼り付いてしまうことがあるので注意が必要だ。強すぎると、はがす時に機器本体が歪(ゆが)む。このあたりは使いながら適量をつかんでほしい。

 PCに面ファスナーを直貼りするのに抵抗感がある人も多いとは思うが、粘着テープ用のはがし液などを使えばきれいにはがせるので、一度試してみてはいかがだろう? 見た目については、イマイチな評価を頂くこともあるが、超便利なことだけは請け合いである。

 最後にちょっとだけ注意点。ノートPCのディスプレイのヒンジは、もともとこんなものを貼り付けることなど想定していないので、HDDのような重たい物を貼る時にはできるだけヒンジに近い下の方にくっつけるよう注意すること。ヒンジから遠いところに貼るとテコの原理でヒンジに大きな負荷がかかることがある。また、PCによっては、ディスプレイの背面を放熱パネルとして設計されている物もあるので、全面びっしり面ファスナーにはしない方が良いと思う。まあ、その辺は、それぞれのPCのスペックやくっつける物によるので、自己責任で試してほしい。

著者紹介 高畑正幸(たかばたけ・まさゆき)

st_bt08.jpg

 1974年、香川県生まれ。図画工作と理科が得意な小学生を20年続けて今に至る。TVチャンピオン「全国文房具通選手権」で3連覇中の文具王。現在は文具メーカーに勤務、文房具の企画開発を行っている。2006年「究極の文房具カタログ」上梓。文具サイト「TOWER-STATIONERY」を主催。


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