インタビュー
» 2008年05月30日 11時00分 UPDATE

もう大丈夫、あなたを救う「うつ対策119番」:「ツレうつ」的闘病のコツ――ムカつくけどしょうがない【最終回・社会復帰編】 (1/3)

「全部うつのせいにしちゃえ!」――死にたくなる衝動をそう乗り切れと説いた前回。いざ職場復帰した時の心構えは? 職場のみんなはどう接すべき? 今後の生き方は――? 最終回は尽きない疑問符を、可能なかぎり解き明かそう。

[豊島美幸,ITmedia]

 「都合の悪いことは全部うつのせいにしちゃえ!」――自殺願望が増す回復期のやり過ごし方を、ツレさんがそう説いた前回。いざ職場復帰した時の心構えは? 職場ではどう受け入れるべき? そして闘病後はどう生きていけばいいのだろうか――。

「ツレうつ」的闘病のコツ(全4回連載)
タイトル
治療開始編 「あきらめてラクに」
治療中期編 「できなくて当たり前」
回復期編 「死にたくなったら『病気のせい』」
社会復帰編 「ムカつくけどしょうがない」

 「あきらめてラクに【治療開始編】」、「できなくて当たり前【治療中期編】」、そして「死にたくなったら『病気のせい』【回復期編】」と集中連載してきた「『ツレうつ』的闘病のコツ」もいよいよ最終回。今回も『ツレうつ』著者の細川貂々(ほそかわ・てんてん)さんと、彼女に支えられてうつを乗り越えた夫のツレさんに指南してもらおう。

mt_sonogo.jpg 『その後のツレがうつになりまして。』(幻冬舎刊)。見かけ上の症状が治まったとみなす「寛解」から約1年後の2007年11月に発刊。気付きや対策がうまく整理されており、うつとの付き合い方のを知るのに最適。うつを俯瞰できる。より深く理解したい場合は、『ツレうつ』『こんなツレでゴメンナサイ。』(文藝春秋刊)の3冊を通して読むのが筆者のお勧めだ

中途半端は一番残酷――患者と付き合うなら最後まで

 「中途半端は一番残酷。やっちゃダメですね」。社会復帰を果たしたばかりの患者に、回りはどう接したらいいか。最初にそう尋ねると、2人からこんな答えが返ってきた。

 この場合の中途半端とはうつ病患者への接し方。患者の相談を聞くのはいいが、「やっぱりムリだ……」と、途中でさじを投げるような態度をいう。背負いきれないからといって最後まで面倒を見ないのは無責任。患者にとっては最もむごい仕打ちだと2人は指摘する。なぜだろう。

 仮に今、あなたが悩みを抱えているとする。誰かが親身になって相談に乗ってくれたらうれしいだろう。親身になってくれるということは、その人があなたの内面に共感しているわけだから、少なくともあなたという人間の、ある部分は肯定していることになる。自分の存在を認められることほど嬉しく、心強いことはない。逆にあなたは、内面に共感できない人の悩みを親身になってまで聞くことができるだろうか。

 こう考えると、自分の話を心から聞いてくれる人間の存在は、決して小さくないことが分かる。まして病気で自信喪失している患者のことだ。もしかしたら唯一の心の支えになるほど、患者の中では大きくなっているかもしれない。そんな時に「やっぱりや〜めた」と、心の鎖を一方的に断ち切られたら、患者の心は砕け散ってしまう。

 「中途半端になるくらいなら、冷たいと思われても最初から関わらないことです。もし関わるなら、最後まで付き合う覚悟で接するべき」。細川さんの口調は厳しい。たとえそんなつもりがなくても、患者の目に中途半端に映る態度は、「見捨てられた。裏切られた」となり、自殺に至る場合がある。だから中途半端になるなら、最初から関わらない。さもなければ最後まで付き合え――というわけだ。

 「そうはいっても、職場の人は関わらないわけにいかないですよね」と細川さん。「ちゃんと対処法はありますよ」。ツレさんが言葉を継ぐ。

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