11月の総務特集ではイマドキ福利厚生を追いかけます。第1弾は携帯コンテンツを手がける企業ゆめみ。厳選した野菜と加工品を全従業員に配布しています。配られた社員たちの反応は――?
「配布した野菜のレシピを教え合ったりする、新しい交流が生まれました。従業員同士の会話のきっかけになっているようです」。ゆめみの広報、原田恵(はらだ・めぐみ)さんは声を弾ませてそう説明する。
11月の総務特集は福利厚生。リゾート施設などありがちな福利厚生の枠にとらわれない、その企業ならではなど自由で個性的な福利厚生を紹介する。例えば「野菜支給制度」はコンテンツ企業、ゆめみの福利厚生制度だ。第1弾は野菜支給制度など、ゆめみの福利厚生制度に迫る。
野菜支給制度は、毎月1回、生野菜と野菜の加工品をセットにして、正社員からアルバイトまで全従業員に手渡しする制度だ。
セットを渡すのは金曜日。週末に料理がしやすいように、という配慮からである。その思惑通り、週末に野菜を調理した従業員同士が、週明けに会話を交わすという新しい交流が生まれた。社内ブログでも盛り上がり、作った料理の写真をアップする人もいるという。
ゆめみは携帯コンテンツの制作や開発を手がける、創業8年の企業だ。従業員数約60人、平均年齢は29歳。家庭を持つ人が増えてきたという。
一風変わったこの福利厚生制度のコンセプトは、「健康」「快適」「効率」という新しい3Kである。「キツい」「厳しい」「帰れない」という、IT業界にありがちな3Kの職場イメージを払拭しようというものだ。運動、栄養、睡眠という健康の3大要素のうち、最も手っ取り早く改善できそうな栄養面で従業員をサポートできないかと、人事が発案。従業員の健康サポートはもちろん、従業員同士、また従業員とその家族との会話のきっかけ作りにと、2008年5月に生まれた。
配布する野菜は1000円相当だ。ゆめみでは配布に当たり、社員の健康環境を補助、促進する月ごとのテーマを決めている。野菜支給制度のコンセプトに賛同、野菜提供を快諾した青森県観光物産館アスパム、つがるにしきた農業協同組合と相談しながら、テーマに基づき野菜をセレクトする。「青森の地域活性と当社の健康増進のマッチングができた。双方やりがいのあるプロジェクトになっている」(原田さん)という。
月 | テーマ | 生野菜 | 加工品など |
---|---|---|---|
5月 | 健康意識の目覚め | アスパラガス、ねまがり竹の子 | 「めいちゃんちの生ドレッシング」 |
6月 | 身体をいたわる | トマト | 生はちみつ |
7月 | 夏への活力 | じゃがいも2種類 | 桃太郎トマトの村 よもぎた「手造りの味 とまとけちゃっぷ」 |
8月 | 夏バテ防止 | とうもろこし | ブラックカランツのジャム |
9月 | 夏の疲れを取る | 青首だいこん | 自己発酵にんにく |
10月 | 栄養をとる | りんご(ジョナゴールド)、ネギ | 唐辛子(清水森ナンバ) |
11月 | 冬支度、風邪対策 | − | − |
12月 | 年納め、食べ納め | − | − |
2009年1月 | 年度初め | − | − |
2009年2月 | 防寒、風邪のケア | − | − |
2009年3月 | 総まとめ、次の自分を創る | − | − |
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