「生野菜の手渡し」で、健康と会話のキッカケ作り――ゆめみ「働きやすい」を形に イマドキの福利厚生(1/2 ページ)

11月の総務特集ではイマドキ福利厚生を追いかけます。第1弾は携帯コンテンツを手がける企業ゆめみ。厳選した野菜と加工品を全従業員に配布しています。配られた社員たちの反応は――?

» 2008年11月05日 20時44分 公開
[豊島美幸,ITmedia]

 「配布した野菜のレシピを教え合ったりする、新しい交流が生まれました。従業員同士の会話のきっかけになっているようです」。ゆめみの広報、原田恵(はらだ・めぐみ)さんは声を弾ませてそう説明する。

 11月の総務特集は福利厚生。リゾート施設などありがちな福利厚生の枠にとらわれない、その企業ならではなど自由で個性的な福利厚生を紹介する。例えば「野菜支給制度」はコンテンツ企業、ゆめみの福利厚生制度だ。第1弾は野菜支給制度など、ゆめみの福利厚生制度に迫る。

 野菜支給制度は、毎月1回、生野菜と野菜の加工品をセットにして、正社員からアルバイトまで全従業員に手渡しする制度だ。

(左)10月のセットを手渡しているところ。(右)ブログに掲載された写真。配布されたトマトを使用したカプレーゼ

 セットを渡すのは金曜日。週末に料理がしやすいように、という配慮からである。その思惑通り、週末に野菜を調理した従業員同士が、週明けに会話を交わすという新しい交流が生まれた。社内ブログでも盛り上がり、作った料理の写真をアップする人もいるという。

IT業界の負のイメージを払拭、「健康」「快適」「効率」の新3Kが目標

 ゆめみは携帯コンテンツの制作や開発を手がける、創業8年の企業だ。従業員数約60人、平均年齢は29歳。家庭を持つ人が増えてきたという。

 一風変わったこの福利厚生制度のコンセプトは、「健康」「快適」「効率」という新しい3Kである。「キツい」「厳しい」「帰れない」という、IT業界にありがちな3Kの職場イメージを払拭しようというものだ。運動、栄養、睡眠という健康の3大要素のうち、最も手っ取り早く改善できそうな栄養面で従業員をサポートできないかと、人事が発案。従業員の健康サポートはもちろん、従業員同士、また従業員とその家族との会話のきっかけ作りにと、2008年5月に生まれた。

 配布する野菜は1000円相当だ。ゆめみでは配布に当たり、社員の健康環境を補助、促進する月ごとのテーマを決めている。野菜支給制度のコンセプトに賛同、野菜提供を快諾した青森県観光物産館アスパム、つがるにしきた農業協同組合と相談しながら、テーマに基づき野菜をセレクトする。「青森の地域活性と当社の健康増進のマッチングができた。双方やりがいのあるプロジェクトになっている」(原田さん)という。

テーマ 生野菜 加工品など
5月 健康意識の目覚め アスパラガス、ねまがり竹の子 「めいちゃんちの生ドレッシング」
6月 身体をいたわる トマト 生はちみつ
7月 夏への活力 じゃがいも2種類 桃太郎トマトの村 よもぎた「手造りの味 とまとけちゃっぷ」
8月 夏バテ防止 とうもろこし ブラックカランツのジャム
9月 夏の疲れを取る 青首だいこん 自己発酵にんにく
10月 栄養をとる りんご(ジョナゴールド)、ネギ 唐辛子(清水森ナンバ)
11月 冬支度、風邪対策
12月 年納め、食べ納め
2009年1月 年度初め
2009年2月 防寒、風邪のケア
2009年3月 総まとめ、次の自分を創る
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