では、思考力を身につけるためには、どういった考え方で読書に取り組めばいいのでしょうか。私自身が普段実践している、読書において思考力を高めるための方法についてお話ししましょう。
一般的に、問題を解決したいとか、知りたいことを学びたい、というような場合は、まず目的を明確にした上で読書しましょう、と言われています。私自身、目的が明確な書籍を読む場合は同じようにしています。
しかし、思考力を身につけようという場合の読書をする場合は、まったく逆の考え方で行います。つまり、書かれていることを学ぶのではなく、
という考えで読書に取り組むのです。ここが、通常の読書と大きく違うところです。
これはもちろん、自分が充分に理解しているジャンルの本を読む場合だけではありません。まったく未知のジャンルについて書かれている本についても同じです。書かれていないことを見つけようとしながら、読書に取り組むのです。
知らないジャンルの本を読んで、書かれていないことが見つかるのか、と思う人もいるかもしれませんが、この考えもまた、ひと世代前の「知識偏重型思考」に毒されているのかもしれません。
これからの時代は、知らないことの中からでも必要なことを見つけ出すことができる力が必要であり、それこそが思考力なのですから。
とはいっても、これだけで終わってしまっては、いささか乱暴だと思いますので、もう少し具体的にこの読書法をお話します。
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