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» 2009年01月23日 19時00分 UPDATE

「心のスイッチ」で心の状態を変える:「よっしゃー!」 声出しで心をリセットする (1/2)

心の状態は「心のスイッチ」を切り替えてリセットできます。例えばどうもやる気になれない――。そんな時は体を使ってスイッチの切り替えを。トイレなどでこっそり試してみてください。

[平本あきお(構成:房野麻子),ITmedia]

 心は色々なものに影響されますが、心の状態は自主的に変えることができます。ですから、いい状態に持っていくことも可能です。これが平本メソッドの基本中の基本、「心のスイッチ」。今まで軽く触れてきましたが、今回は6回にわたり解説していきましょう。

体、言葉、意識――3つの使い方で心の状態は変わる

 心にはさまざまな状態があります。例えば、「幸せ」「安心している」「腹が立つ」「イライラしている」「悲しい」「落ち込んだ」といった心の状態は、何に影響されていると思いますか?

 天気でしょうか、それとも財布の中身でしょうか。仕事の出来や職場の人間関係、家族の人間関係など、心の状態は色々なものに影響されるのですが、最終的に、自分の心の状態を決めるのは自分自身です。

 心の状態は、3つの要因によって決められます。1つは「からだ」。自分の体の使い方によって心の状態は変わります。2つ目は「ことば」。自分の言葉の使い方で心の状態が変わります。3つ目は「いしき」。何をどのように意識しているかによって、心の状態は変わります。

mt_switch.jpg

なぜ大事? 心のリセット

 心の状態をどうやって変えていくかに話を進める前に、なぜ心の状態が大事かを考えてみましょう。心の状態が大事なのは、それが行動や結果に影響を及ぼすからです

 例えば営業マンの場合。「自分はもうダメだ」「この商品は売れないよ」「これじゃ無理だ」という心の状態でお客さんを訪問したところで、顔に「売れない営業マン」とか「この商品はよくありません」と書いてあるようなものです。いい行動ができないし、いい結果にも結び付きません。

 反対に、心の状態を変えて、「私は絶対大丈夫だ」「これは絶対いい商品だ」「これは成功するに違いない」と思って営業し、断られたとしたらどうなるでしょうか。大抵の人は、断られたという結果で落ち込みます。

 ところが、断られても落ち込まずに、心の状態をリセットして変える。そして、再びいい状態で行動する。また断られてもリセットして行動。断られてもリセット、断られてもリセットというように、結果がダメでも心をリセットし続けていったら、どうなるでしょう。いつの日か、その商品が売れますね。

 お客さんは、営業マンがその商品をこれまでどれくらい売ってきたかどうかは分かりません。ただ、営業マンの心の状態から、売れてそうだな/売れてなさそうだな、というのが伝わっているんです。これは商品開発の現場でもそうかもしれません。「無理だよ」という気持ちでやるのと、「絶対やるぞ!」と楽しい気持ちでやるのとでは違います

 結果が出て、初めて自信がつく、ということがよく言われます。でも、それは逆なのです。前にも解説しましたが、自信を先に持つことが可能なのです。自信を持って行動する方が、いい結果が出ます。

打席ごとに心をリセット――イチロー選手が4打席目に強いワケ

 例えば野球のイチロー選手。彼は、自分が臨んだ最初の3打席でヒットが出なかった後の4打席目の打率、また、3打席連続安打の後の4打席目の打率が他選手に比べていいそうです。

 大抵の人は、3回ダメだったら「今日は打てないな」となるか、「くそー、絶対打ってやる!」とムカムカした状態でバッターボックスに立つので、4打席目も失敗することが多い。また、3打席も連続安打した後は、「今日はもう十分打ったな」と余裕が出て、4打席目は緩んだ状態になって打てないことが多い。ところが、イチローは1打席ごとにリセットして、どの打席も初打席のように立つから、ずっと失敗した後の打席でも、連続安打した後の打席でも打てるのだと思いますね。

「心のリセット」だけで、周囲の反応まで変えられる

 私は英会話がほとんどできないまま渡米しました。どのくらいのレベルかというと、マクドナルドに行ってオレンジジュースを頼んだらミルクが出てくるレベルです(笑)。しかし、学校のカリキュラムとして、600時間、英語で現地の人をカウンセリングする必要がありました。

 そのためインターンに応募しなくてはいけないのですが、学校が「ここに連絡しなさい」と助けてはくれません。図書室に行き、リストアップされている中から希望の病院を選び、「インターンをさせてもらえませんか?」と自分で電話をしなくてはなりません。

 当然、インターンを募集しているかどうかは明記されていません。言ってみれば、タウンページを開いて、病院に「実習をさせてもらえませんか?」と電話して聞くのと同じです。それを英語でやらなくてはいけない。しかも、仕事は英語でしゃべること。すごいプレッシャーでした。

 ひどくプレッシャーを感じていたので、電話をするにも縮こまった姿勢で、「ハロー……できれば……インターンを……したいんですが……」みたいに、小声でおずおずとした口調になります。相手は聞き取れず「え!? なに?」とイライラした口調になります。「インターンに……」「そんなの募集してないよっ!(ガチャ)」「ああ……」というように、最初はことごとくダメでした。

 その頃すでに2年ほど米国にいて、会話はできましたが滑らかではない。自信のない状態で電話しても、うまくいかない。

 そこで、先に自信がある状態で電話をしようと思い、立ち上がってクーッと伸びをして、顔を上に向けた状態で電話を持って、ニコッと笑い、声くらいは大きくしようと思いながら「ハロー! 私はインターンに応募したい。担当者をお願いします」と話しました。相手は「なんだって?」と聞き返しましたが、そこでもはっきりと「インターンに応募したいので、担当者を!」と言うと、理解してもらえた。そこから3件、立て続けにOKをもらったんです。

 つまり、言葉はちょっと聞き取りにくくても、こちらの本気さが伝わるんですね。最初は「もう無理だよ」という口調だった。でも、こちらの本気さが伝わると、「なんだって?」といいながらも、理解してくれるものなのです。最初と後とで、英語力が変わったかといったら、10秒しか経過していませんから能力は変わっていません。心の状態が変わっただけです

 例えば、朝、起きられないという時でも、心の状態をオンするだけで、パッと動くことができます。「この仕事は今日中に仕上げなくちゃ」と思った瞬間オンになれば、起きることができます。それが、「やらなきゃなあ……」という気持ちではずっとできないでしょう。心のスイッチをオンにすることが重要なのです。

 では、どのようにして心のスイッチを入れればいいかを見ていきましょう。

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