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» 2009年01月23日 19時00分 UPDATE

「心のスイッチ」で心の状態を変える:「よっしゃー!」 声出しで心をリセットする (2/2)

[平本あきお(構成:房野麻子),ITmedia]
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「上を向き、笑いながら落ち込む」は難しい――心と体はつながっている

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 まず体から。体を使うことで、心の状態は変わります。例えば、下を向き、落ち込んだ姿勢をとりながら、「がんばってやるぞ!」と思ってみてください。

 がんばる気持ちになりましたか? おそらくなれないはずです。

 では、今度は大きく伸びをしながら天井を見て、ニコッと笑った表情を崩さずに落ち込んでください。ニコッと笑いながら「がっかりだ。もう私には無理だ、できない」と思うのです。

 どうですか? うまくできましたか? おそらく笑ってしまって落ち込めないはずです。つまり、姿勢と心の状態が結びついているのです。だから、心の状態を変えるには、まず姿勢を変えること。伸びをしたり、体を広げたりしてみてください。例えば、伸びをしながら声を自由に出してみる。大したことじゃないんですが、これだけでも気持ちは変わります。

「よし! よし! よし!」――声を出し、体を動かして心の状態を変える

 また、体の動きでも心の状態を変えることができます。

 「これをやりたい」「やらなきゃダメだ」というものを1つ、思い浮かべてください。片付けやメール、キッチンの掃除、ゴミ出し、机の上の整理整頓など、ちょっとしたことで構いません。大したことではないのに、それを見ると気がふさいできて、避けたりしますね。そういう時は、ちょっと声を出して気合を入れてみてください。

 軽く「よし」と言ってもやる気はでませんが、それをやっている自分を想像しながら、強く「よし! よし! よし!」とやってみてください。かけ声は何でもいいんですが、気合いを入れて、手を打ったりしながらサッと立ちあがって行動し始める状態にいってほしいのです。「よし、よし! さっ、やりましょう」というように、ちょっとしたことです。「やんなきゃ〜」と中途半端に言うだけでは、結局やらないで終わることが多いですが、ちょっと体を動かしたり声を出したりするだけで、スイッチが入ります。

 私が習ったやり方で、次のような方法もあります。

 軽く手を握って体の前に出し、「シュッ」と言いながら、最初はゆっくりと両腕を横に開いてください。周りにぶつからないように注意してくださいね。これでは全然やる気は出てきませんが、これを今度は元気よく「シュッ! シュッ!」と言いながら、腕全体で空気を切り裂いていくように動かします。この動作に別に意味はないんですが、要は体を動かして声を出すのが狙いです。これだけで、頭がちょっとスッキリします。もちろん、この方法じゃなくても構いません。

 声を出すことでも、心のスイッチを入れることができます。例えば、カラオケで歌った後は、気分が爽快になりますね。声を出すことで心の状態が変わるわけです。一晩中、まるでミュージシャンにでもなった気持ちで歌っていたら、怖いもの知らずになったような高揚感が出てきます。

 私はやりませんが、自己啓発セミナーで自分の目標を大声で言ったり、営業マン研修と称して山奥に1週間閉じこもり、「100万円取るまで帰らない! 100万円取るまで帰らない!」などと叫んだりしていますね。あれはつまり、大きな声を出して体を動かすことで、心の状態を変えているのです。最後に渋谷のハチ公前で大声で歌を歌ったりもするわけですが、確かにやっている瞬間は非常に高揚感があります。

 ただ、あれの何が悪いかというと、非日常的で不自然なことなので、1カ月もすると、「私ってヘンなことをしているのかな」と思ってやらなくなるんですね。気にせず一生やり続けられる人はいい状態が続くでしょうが、おかしいなと思ってしまったらもうダメです。だから、私はなるべく、自然な形でやってほしいと思います。「よし!」とか「いくぞ!」とか「イエス!」くらいがいいのではないでしょうか。人から見られないところで、1人で声を出せばいいのです。

昼休みのキャッチボール――ビジネスシーンでやる気を起こす

 職場に1人くらい、昼食が終わって再び仕事を始めようという時に、「くーっ」と言いながら伸びをしている人がいませんか? その人は無意識のうちに、体を動かしたら目が覚めるということを知っているわけです。お昼休みにキャッチボールをするとか、テニスの壁打ちをするとか、ちょっとした体操やストレッチでもいいのです。体を動かすことで、目が覚めます。

 会社ではいつも元気がなく、やる気が出ないという人が、退社後に野球観戦に行き、拍手したり大声を出したりして熱烈に応援していることがあります。コンサートでもなんでもいいですが、やる気はあるんです。スポーツ観戦やコンサートでは、声を出して体を動かしています。すると元気になる。それを会社でやればいいんです。ただ、人前でやる必要はないです。歩きながらでもいいし、トイレでもいいいし、一声だけでもいいので、体を動かして声を出してみてください。


 次回は、体を使った心のスイッチの入れ方の続きを見ていきます。

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ピークパフォーマンス 代表取締役

平本あきお(ひらもと あきお)

 1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は、『すぐやる! すぐやめる!技術 ― 「先延ばし」と「プチ挫折」を100%撃退するメンタルトレーニング』。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。


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