連載
» 2009年07月21日 18時00分 公開

アイデア・スイッチ:短時間で多様なアイデアを引き出す道具 (3/4)

[石井力重,Business Media 誠]

多様な観点でアイデアを引き出す「6観点リスト」

 人間には、「短期記憶の活動が活発なうちは観点が固定化される」という傾向があります。短時間でアイデアを発想すると、狭い観点で考えてしまうということです。「日を改めて、ゆっくり考えてみればもっと別のアイデアもあったのに、あのときはなぜ思いつかなかったのだろう」と感じることがありますが、それはこうした特性が背景にあります。

 しかし、発想の優れた人からは、少し違ったことが観察されます。

 例えば、会議などのゆっくりと考えることができない場面でも、人と違った観点からアイデアを出せる人がいます。こういった人はたくさんの観点をもっていて、それらを短時間で意識的に切り替えています。

 このような優れた人の発想のスタイルを可能にするのが、「6観点リスト」です。

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 発想トリガーのリストを分析していくと、人間がアイデアを考える際の代表的な観点が浮かび上がります。ビジネス系と技術系の観点で抽出すると、上図の6つの観点に分類できます。

 観点が狭くなっているな、と感じるときには、この「6観点リスト」を上から順にチェックしていくと、良い発想をすることができます。

ステップ 実行内容
ステップ1 解決したい問題を頭に入れて、上から順に「人→モノ→……」のようにチェックして、気になる観点を見つけます。
ステップ2 その観点について、さらに「人」なら「主体、客体……」のように具体的な観点を見ていき、気になるものについてその観点から思いつくことを書き出します。
ステップ3 それらは、アイデアの部品となる初期的な思いつきです。いろいろな観点から出てくる思いつきを組み合わせながら、アイデアを考えていきます。

 リストは下側になるほど、抽象的・概念的なものになります。その言葉から浮かぶ直感的なひらめきを、そのまま受け止めて書きとめてください。

練習問題

 あなたは、社内の無駄を削減するプロジェクトのメンバーに選ばれました。社内における無駄を省いて効率的な仕事環境をつくろう、とアイデアを考えています。



 6観点リストをもとに、5分ほど考えてみてください。短い時間で列挙するアイデアは、観点が固定化される傾向があります。積極的に観点をシフトさせていき、発想の力をフルに使う感じで行なってください。

 いかがでしたか?

 普段はなかなか出てこないアイデアが発案されたことでしょう。すべての観点がアイデアにつながるわけではありませんが、代表的な観点をざっとでも良いのですべて考えておけば、「あとでよく考えれば、ほかの発想もあったな」という事態を大幅に減らすことができます。

人―立場

 会議の人数が多過ぎる→会議ごとにメンバーにA(マスト)、B(ベター)、C(出席任意)を提示 →会議の少数精鋭化

プロセス―人とモノの動き

 コピーを複数とって、別のテーブルで別の資料を挟み込み、ホチキスをもってきて閉じる→コピー機の隣に、作業台とホチキスを常備 →コピー機周りを、資料づくりの拠点化へ

五感で認識するもの―音

 みんなが集中するときがある→とても静か→次第に息がつまってつい雑談→静かになり過ぎないように社内の音をコントロール →自然な感じのノイズや音楽を再生



 普段、どんなにアイデアを出そうとしても思い浮かばないことがありますが、そういう場合は、発想の観点が固まっているのかもしれません。そのときは、代表的な6つの観点を順次切り替えて考えてみると、頭の中の視界が広がり、発想を広げられます。

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