インタビュー
» 2010年07月21日 06時25分 UPDATE

ハードカバーは滅びてしまえ!:なぜ新書を読むべきなのか? 小飼弾さんに教わる読書術 (1/4)

月間100万PVを誇る書評ブログ「404 Blog Not Found」。ブロガー・小飼弾さんは、毎日10冊前後の本を読み、2万5000冊の蔵書とともに暮らしている。知的レベルを上げるための読書術とは? 本を読む達人にポイントを聞いてゆく。

[吉岡綾乃,Business Media 誠]
ay_dan02.jpg 小飼弾さん。1991年12月米カリフォルニア州立大学バークレー校中退。その後帰国し、ネットワーク技術者として活躍。1996年ディーエイエヌを設立し、代表取締役に就任(現任)。1999年オン・ザ・エッヂ(現ライブドア)の取締役に就任するも、2001年に同社取締役退任。

 書評を主なコンテンツとするブログ「404 Blog Not Found(参照リンク)」の書き手として知られる小飼弾さん。書評を書けばその本の売上に大きく影響するという、日本屈指の書評ブロガーだ。

 404 Blog Not Foundでは、1日に何本もの書評が公開されることも珍しくない。個人ブログでそれが可能なのは、小飼さんが本1冊を10分弱で読むことができ、1日に10冊前後の本を読んでいるから。だからこそ、あのボリューム感のある書評サイトが続いているのだ。

 今回は、本を“読む”スペシャリストである小飼さんにインタビュー。著書『新書がベスト』の内容に沿って、初心者・中級者はどのように本を買い、読書すべきかについて聞いてみた。(写真:加野瀬未友)


新書は本の器としてベストな形状

ALT 小飼弾『新書がベスト』(ベスト新書)。本の内容の中心は、新書レーベル別に”オススメ本”“ダメ本”をピックアップする「PartIII 新書レーベルめった斬り!」。特に講談社現代新書のくだりは、新書好きなら共感間違いなし

――小飼さんの『新書がベスト』は、タイトル通り新書にフォーカスした本ですね。“読書術”というジャンルは以前からありますが、「情報弱者になりたくなかったら新書を読め」「ハードカバーは滅びてしまえ」というメッセージは強烈です。

小飼 新書は“本の器”としてベストな形状です。これは人間の手が決めていること……人間工学的な問題なんです。ハードカバーは手に合ってしならないから読みにくいし、値段も高い。それに比べ、新書は手に持ちやすく、適度にしなるので読みやすい。一番大事なことは「ソフトカバーであること」なんですよ。

――文庫本はダメですか?

小飼 文庫もOKですが、フィクションが多いでしょう。この本で書いている読書の目的は知的アウトプットをすることですから、読む本はノンフィクションが対象であり、そのため新書を薦めています。あと、文庫は判型の問題で、図版を入れたときに小さくなりがち。その意味でも新書は実にいい判型だと思います。

 本の中身はもちろん大事ですが、中身だけでなく“器”も大事です。判型などについてですね。『編集者の仕事』という本が、本の器について書いていて、これは名著です。『新書がベスト』を書く前に出ていてほしかったな。

 文庫についてもう一つ付け加えるなら、「最初にハードカバーで出して、あとから文庫で安くしてもう一度出版する」という仕組みも良くなかったと思いますね。今の世の中「小さいから安い」というコンセンサスではなくなってきているでしょう。文庫は最初から、もっと高く設定すべきではなかったか。こう言っているのはわたしだけではなくて、例えば森博嗣さんも「はじめは文庫で出して、売れたら愛蔵版などという形でハードカバーで出すべきだ」と言っていますね。

 こういうことを考えるようになったのは、かなり昔……自分の本棚を持つようになったころからです。当時はむしろ文庫がいいと思っていました。当時、新書は(○○ノベルズなど)フィクションのための判型でしたからね。

ay_dan03.jpgay_dan04.jpg 図版を入れやすく読みやすい判型として、小飼さんは新書を高く評価している(左)。文庫にありがちなのが、詰め込みすぎて読みにくくなっている例。この文庫本は、文字が小さく行も多く余白が少ない(右)
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