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» 2013年05月03日 10時00分 UPDATE

“本業に専念できる環境作り”をiPadで――FileMakerが変える、中小企業の現場 (1/2)

iPadを導入するなら、自社の業務に最適化した業務システムと合わせて導入したい、でも、高額な開発コストも手間もかけたくない――。中小企業のこんな希望を叶えるのがFileMaker Proだ。なぜ、低コストでカスタムメイドのソリューションを実現できるのか。マーケティング担当に聞いた。

[佐々木千之、後藤祥子,ITmedia]
Photo ファイルメーカー マーケティング部シニア マネージャの荒地暁氏

 スマートデバイスを利用した業務効率化の波は、今や中小企業にも波及しているが、導入にあたって多額のコストや手間をかけられないケースも多い。にもかかわらず、業務の効率化や生産性の向上については、大企業以上の効果を望むという。なぜなら、人的リソースに限りがある中小企業は、そこまでシビアに考えないと熾烈な競争に勝ち残れないからだ。

 こんな矛盾した望みを叶えてくれるソリューションの1つとして注目を集めているのがファイルメーカー社(以下、ファイルメーカー)のデータベース製品だ。同社の製品はなぜ、低コストでiOSに対応するカスタムメイドの業務ソリューションを開発できるのか。同社のマーケティング部でシニアマネジャーを務める荒地暁氏に聞いた。

ワークフローのより深い部分にiPadを――こんな企業が増えている

―― 2012年はタブレットやスマートフォンの普及が加速し、業務利用が定着した1年となりました。企業の活用シーンに変化の兆しは見られるのでしょうか。

荒地暁氏(以下荒地氏) FileMaker製品の導入を検討する方々の声を聞いていると、企業のスマートデバイス導入に対する意識が変わってきたことがうかがえます。これまでは企業の方々の意識の中に、どこか「iPadはビジネスで使えるのかどうか」という迷いが感じられたのですが、2012年の秋頃からは、それが「確実にビジネスに役立つ」という確信に変わった気がします。

 また、iPad導入の初期段階では、「いつでもどこでもメールや予定を確認できて、営業先では動画を取り入れたカタログでプレゼンテーションをする」――という使い方で満足していた企業が、その先の使い方を模索するようになってきています。FileMaker製品は、作成した業務システム同士の連携や、基幹システムとの接続ができるので、業務改善を次のフェーズに進めたい企業のお役に立てるのではないかと思います。

―― 国内外でスマートデバイス活用の新たなトレンドは生まれていますか。

荒地氏 2012年の夏頃から目立ってきたのが、紙の伝票や帳票、問診票などをスマートデバイスに置き換える“ペーパーレス化”の動きです。

Photo Austin Convention Centerの事例。1つのイベントごとに作業時間が約5時間短縮されたという

 FileMaker Proの海外の事例では、コンベンションホールの設営に関わる業務をペーパーレス化するというものがありました。従来は設営にあたって、さまざまなブースごとに“配線をどうするか、どこに何を設置するか”という要件を現場で紙のチェックシートに書き、東京ドーム4個分のコンベンションホール内を移動してバックエンドのデザイナーやエンジニアに報告し、それをまた現場に戻す――というフローで作業をしていたそうです。しかし、このやり方では、現場とのやりとりにタイムラグが発生したり、伝達のために多くの移動時間がかかるという課題がありました。

 この設営現場に、FileMaker Proを使った業務システムとネットワークにつないだiPadを導入したところ、業務効率が大幅に改善されたそうです。現場でiPadからデータを入力し、バックエンドのエンジニアがリアルタイムで確認するというペーパーレス化を図った結果、1つのイベントごとに作業時間が5時間ほど短縮され、年間1万ドルの経費削減を達成しました。

 もう1つは病院の問診票のペーパーレス化です。病院に行くと、その日の体温や病状を紙の問診票に記入するのが一般的ですが、それをiPadに置き換えようという取り組みです。患者がiPad上の問診票に病状を入力すると、そのデータと予約の順番が医師が診察に使うシステムに送信され、医師は診察する順番に合わせてリアルタイムで病状を確認できます。診断結果もPCから入力すれば、そのシステムに送られる――という格好で、一連のワークフローの中にiPadが組み込まれているのです。

 最初にiPadが導入されるのは、入力などのある一部分だけということも多いのですが、だんだんと時間が経つにつれて、業務の深いところに関わっていくことが多いですね。

―― スマートデバイスの業務活用が広がる中、企業のニーズに合った業務システムを開発できるFileMakerシリーズのユーザー層は拡大していますか。

荒地氏 お客様がiPadを仕事で使ってみようと考えたときには、まずはApp Storeでアプリを探します。アプリは70万以上もあるので必要なアプリは見つかることでしょう。でも、1つのアプリでは1つのタスクしかできないことが多く、使っていくうちにiPadがアプリでいっぱいになってしまいます。

 個人で使うのならそれでもいいですが、会社の部や課の単位で使うとなると、さまざまな情報を統合できないことがネックになってきます。iPadをより深くビジネスで使おうとすると、自社の業務に最適化したアプリを開発するか、HTML5やJavaを使ったデータドリブンなWebサーバーを置くか、もしくはその両方でデータ連係させるか――といった選択肢がありますが、そこまでいくと、けっこうな大きな規模のプロジェクトになってしまいます。

 業務用途でiPadを導入する場合には、費用対効果を示せなければゴーサインがでないでしょうし、開発期間や現場での使いやすさも問われます。そんな課題を解決するソリューションを探す中で、FileMaker Proを見つけていただくことがあるようです。FileMaker Proは、Microsoft Excelを扱うような感覚で業務システムを開発でき、開発したシステムは無料のiOS向けアプリ「FileMaker Go」を通じてiPhoneやiPadに展開できるので、アプリ開発の手間やコストを大幅に減らすことができます。自社のビジネス専用のテーラーメイドなシステムを比較的容易に開発できるということで、導入を検討する企業は増えています。

 ファイルメーカーのWebページ「FileMaker プラットフォーム for iOS」では、iOS端末向けのビジネスソリューションを業務に合った形でカスタム開発する方法や、それを展開し、運用するための方法を紹介しています。

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