話し手も聴き手も緊張していて、その場の空気が張り詰めているのなら、空気を和ませる話を仕掛けたほうがいい。場の空気がふっとゆるむ、アイスブレークネタをご紹介しよう。
職場のコミュニケーションに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。「上司にこんなことを言ったら怒られるかもしれない」「部下には気をつかってしまうし」――。
本コラムでは、職場で役立つコミュニケーション術をご紹介します。具体例を挙げながら「なるほど! こういうやり方があるのか」「これなら自分でもできるかもしれない」と感じてもらえるよう、筆者が見聞きした出来事をちりばめています。
明日から……ではなく、いますぐに試すことができる「コミュニケーションのヒント」をご紹介しましょう。
会議や打ち合わせの場が張りつめた雰囲気になっているとき、その固まった状況を解きほぐすことを「アイスブレーク」という。よくコミュニケーションの研修で「会議やプレゼンの出だしでアイスブレークするとよい」と教わるし、その手の本にも書いてある。
米国人のプレゼンテーションを見ていると、最初に軽いジョークから入って会場を沸かせ、聴き手をリラックスさせた上でプレゼンターの世界観に巻き込む――ということを、とても自然に行っている印象を受ける。
こんな場面を動画サイトなどで見かけるものだから、アイスブレークというとつい「気の利いたジョークを言わなければ」と気負ってしまいがちだ。しかし、日本で日本人を相手に、いきなりジョークやダジャレで話し始めたとしたらどうだろう。プレゼンターがよほどキャラの立った人でない限り、たいていはうまくいかない。いわゆる“スベる”という状態になる。
私も講演などでちょっとしたジョークを言うことがあるが、氷を解かすどころか、より一層凍らせてしまうこともある。仕方なく、「今のは、笑うところですよ」などというと、ようやく聴き手もくすっと笑ってくれるが、義理笑いなのだ。
「欧米とは文化も感じ方も違うのだから、アイスブレークなんかしなくてもいいんじゃないか?」と考える人もいる。でも、話し手の自分も聴き手も緊張していて、その場の空気がひんやりしているのなら、空気を和ませる何かを仕掛けたほうがいい。アイスブレークは緊張を解きほぐすだけではなく、コミュニケーションのペースやムードを作るのにも役立つからだ。
無理に笑わせる必要はない。とにかく雰囲気が和めばよいのだ。そこで誰もができそうなアイスブレークネタを紹介しよう。
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