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» 2015年03月24日 05時00分 UPDATE

頼られる人になる「経理アタマ」の鍛えかた:借金すると税金が安くなる? (1/2)

売上や経費が変わればその影響が税金にも現われます。会社の損益を検討するときは、支払わなければならない税金がいくらになるかにも着目しましょう。

[企業実務]

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 本記事は企業実務のコンテンツ「頼られる人になる「経理アタマ」の鍛えかた」から一部抜粋・編集して掲載しています。


 私がふだん税理士として経営者と接しているときに感じるのは、経理に関係する言葉のなかでも経営者がとくに反応を示すキーワードがあることです。

 例えばこんな言葉です。

  • 領収書
  • 節税
  • 増収増益
  • V字回復
  • キャッシュフロー
  • (金融機関からの)お金借りてくれませんか?

 いかがでしょうか。これらの言葉に対して、はた目には過剰と思えるような反応を示すことが少なくありません。

 とくに「領収書」や「節税」という言葉には、経営者は特別な反応をするようです。

 そんな経営者の過剰反応があったとき、「頼られる経理」としては冷静沈着な対応を心がけたいものです。

法人税が会計に及ぼす影響

 法人税は利益に対して課税されます。正確には利益から、一定の調整をして所得金額を求め、所得金額に法人税率をかけて計算することになります。

 一定の調整をしてという部分は法人税の専門書を読んでいただくとして、ここでは分かりやすくするために、利益と所得はイコールで、法人税の実効税率を「35%」と仮定して話を進めます。ここで使う法人税の計算方法や税率は正確なものではありませんが、法人税が会計に及ぼす影響を知ってもらいたいので、単純化して説明します。

 営業利益が5000万円の会社を例に説明しましょう。他に経費がないとすると、税引前利益は5000万円です。

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 5000万円の税引前利益に35%の税率をかけて法人税等を計算すると、1750万円になります。法人税等を引いた後の税引後利益は3250万円です。税引前利益(=所得金額)に実効税率をかけたのが会社の税金負担です。

 実効税率が35%であれば、税引前利益は、法人税等と税引後利益(当期利益)に35%と65%の比率で分けられます。経営者が「利益の4割は税金としてもっていかれてしまう」と話すのは、こんなところからきています。

 ここで会社の決算で計上することを忘れた経費の「領収書」が200万円分出てきたとしましょう。経費を追加計上すると営業利益は200万円減り、4800万円となります。他に経費がないなら税引前利益は4800万円です。

 これに35%の税率をかけて法人税等を計算すると1680万円になりますので、法人税等を引いた後の税引後利益は3120万円となりました。200万円経費が増えることによって、法人税等の負担が1750万円から1680万円に減りました。これは70万円の節税効果があったことになります。

 一方で税引後利益は3250万円から3120万円となり、130万円減りました。

 このように、200万円経費が増えたからといって、単純に税引後利益も200万円分減ることにはなりません。何か経費が増えるとそれに応じて法人税等も減るため、増加経費の額と税引後利益の減少額が一致していないのです。

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