コンシューマー主導で発展した日本の携帯電話市場は、ディスプレイ業界の技術革新を牽引している。今年の国際フラットパネルディスプレイ展も、携帯電話向けの展示が盛りだくさんだ(4月22日の記事参照)。
この中で注目を集めたのが「地上デジタルテレビ」ニーズをあてこんだ高輝度・高精細・即応性の小型液晶。既報のとおり、NEC液晶テクノロジーや東北パイオニアなどが意欲的な展示をしている。
しかし、筆者が次のニーズになると考えるのは、消費電力を抑えながら、ユーザーの表示ニーズを満たす「低消費電力型液晶」へのアプローチだ。
確かに地上デジタルテレビは華やかで、注目を集めそうな新サービスだ。しかし、メールや携帯電話コンテンツのように「いつも使う機能」ではない。またバッテリー消費量が多く、早期の小型燃料電池普及に見通しが立たない今、日常ニーズになりにくい。
一方、携帯電話デザインの多様化は、コンシューマー市場を中心に今後さらに進む分野だ。企業ユースでも、ドコモの「M1000」のようなPDAライクなスマートフォンが増えれば「クラムシェル一辺倒」の時代は終わる。そう考えると、東芝松下ディスプレイテクノロジーの微反射+半透過ハイブリッド液晶や、三洋エプソンイメージングデバイスの透過型+モノクロ反射型ハイブリッド液晶の市場ニーズは有望だ。
携帯電話の進化の中で、バッテリーの足かせは重い。液晶に限らず、低消費電力を実現しながら、機能進化を実現できるデバイスのニーズは今後も拡大していくだろう。
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