ダイソーはなぜマレーシアで「おにぎりの型」を売るのか?東南アジア発、気になるニッポン企業(4/4 ページ)

» 2015年08月20日 08時00分 公開
[野本響子ITmedia]
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 日本の暖簾(のれん)や提灯(ちょうちん)などは、ディスプレイやインテリアの一部として使われていて、一年中扱っている鯉のぼりは「かわいいから」という理由で購入する人がいるという。冬物衣類やカイロは、海外旅行に行く人が現地で使うために買っていく。日本の本社にも確かめたところ「日本で販売している商品がすべて受け入れられているわけではないですが、トライアンドエラーで展開しています」(ダイソー統括部)とのこと。在庫管理をせずに、あえて“死に筋商品”を置き続けるのは、日本でもマレーシアでも同じ。同社の経営哲学なのだ。


 店内に足を踏み入れると、たくさんの商品が目に飛び込んでくる。日本だと「この商品はこのように使う」といった感じで、決められた用途の範囲で使うことが多い。しかし、マレーシアでは違う。前述したとおり、ほとんどの商品が日本語のみで書かれているので、現地の人にとってはよく分からないモノが並んでいる。なので、好奇心が刺激され、自分だけの新たな使い道を見つけ出そうとするのだろう。

 日本でも、何に使えばいいのかよく分からない商品がズラリと並んでいる店舗ができたら……ひょっとしたら行列ができるかもしれない。

野本響子氏のプロフィール:

 東京都立青山高校、早稲田大学法学部卒業。安田火災海上保険(現損保ジャパン)を経てアスキー入社。「MacPower」(アスキー)「ASAHIパソコン」「アサヒカメラ」(朝日新聞出版)の編集者を経て現在フリー。『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」する』(松井博著/アスキー新書)編集。著書に『いいね! フェイスブック』(朝日新聞出版)『マレーシアの学校の○と×アジア子連れ教育移住の第一歩』(Kindle)ほか。現在KL郊外に長期滞在中。マレーシアの教育事情などを書いたブログを更新中。


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