この連載は安達裕哉著、書籍『「仕事ができるやつ」になる最短の道』(日本実業出版社)から抜粋、再編集したものです。
「一度に大きな変化を起こすことは誰にもできない。仕事で何かを成し遂げようとするならば、それなりの時間をかけて物事に取り組む必要がある。小手先のテクニックでは、仕事ができる人にはなれない」
毎日2万人以上が訪れ、月間150万PVを誇る「仕事の本質」を突いた人気ブログ「Books&Apps」の著者が初めて明かす、“仕事ができるやつになる法則”。
悩めるビジネスパーソンの心にじわじわと響き、「明日を踏み出す一歩」がチャージされる1冊です。
優れた技能やスキルを習得できるかどうかの本質とは、なんだろうか?
あるところに技術者がいた。彼はトップクラスの腕前を持ち、社内外で尊敬を集めていた。そして、なぜあのように生産性の高い開発ができるのか、皆はその秘密を知りたがった。
あるとき、若い技術者たちは彼のもとに行き、「あなたのように早く開発をするための秘訣を教えてください」と頼み込んだ。彼は快く応じ、「勉強会を開く」と約束した。
後日、開かれた勉強会には、新人や若手が数多く詰めかけた。皆、彼が「どんな優れたウハウを用いているのか」と期待して集まっていた。彼は「自分がやっていること」をまとめた数枚の資料を参加者に渡し、皆に向かって言った。
「ここに書かれていることを、できるようになるまで練習してください」
そこにはいくつかの基本的な処理、関数の使い方、設計のコツなどが書かれていたが、とくに目新しいものではなかった。皆は口々に言った。
「こんなこと知ってます」
「もっと、役に立つことを教えてください」
「前に習いました」
それを聞き、彼は言った。
「では、これ以上教えることはありません。結局のところ、スキルを上げたいならばたくさんつくるだけです」
ある若手が言った。
「でも、できるだけ効率良く技能を身につけたいんです」
それに対して、彼はこう言った。
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