さらに、CCCは先ほどのTRCとともに神奈川県海老名市立中央図書館と市立有馬図書館の運営も行っているのだが、こちらでもおかしな「選書」があったという。『週刊朝日』では、市議の「CCCの在庫処分と言われても仕方がない」というコメントともに以下のようなケースを紹介している。
改装に合わせてテコ入れする約8300冊の選書リストによると、出版社が書店流通で販売する「アイミクロン メガネクロス」や、「『スピードサラダおろし』つき 1日分の野菜がラクラクレシピ」など、図書館で貸し出す書籍とは言い難いものが含まれているのだ。(週刊朝日2015年10月9日号)
それだけではない。こういう本を入れる代わりに図書館ならではという資料的価値の高い書籍を廃棄しているというのだ。武雄市図書館のCCC運営に反対している市民団体によると、県立図書館にも所蔵がない貴重な郷土資料や視聴覚資料など合計8760点が除籍、廃棄処分されたという。
こんなネガティブな話が週刊誌やネットで取りざたされるなかで、小牧市の住民投票は行われた。つくば市並みに賛成がボロ負けをしてもおかしくなはない。にもかかわらず、思ったほど「差」がでなかったということは、「TSUTAYA図書館」の効果を期待した一定数の市民がいたということかもしれない。
実際、CCCはそこへかけていた。住民投票の前々日に、武雄市図書館・歴史資料館の累計来館者数200万人を突破し、利用者の満足度が85%になったというプレスリリースを出している。満足度に関しては反対派のみなさんが「調査方法がおかしい」とかああだこうだとケチをつけていらっしゃるが、来館者数や貸出利用者数、そして図書貸出数という客観的なデータで、大成功を収めているのは揺るぎない事実である。
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