コイルは既製品である。そのため患者ごとに異なるコブの形に合うよう、現状ではいくつかのコイルを組み合わせて使われている。理想のカテーテル術はいうまでもなく、患者のコブの形にぴったり合うようカスタムメイドされたコイルを入れること。そこで3Dプリンターの出番となる。
患者のコブの形に関するデータは、既にある。つまり動脈瘤が見つかる過程では、必ず脳がスキャンされているはずで、そのデータを3Dプリンターに流用することができる。コブを正確に再現したモデルをつくり、それに合わせてプラチナのコインをつくればよい。これにより高価なプラチナをムダにすることもなくなる。
まだ工学部での研究段階の話だが、今後、さらに研究が進み、治験をクリアして実用化に至れば、多くの人に福音をもたらすはずだ。
ほかには人の細胞でできたバイオインクをプリントする3Dバイオプリンターもある。細胞修復、新医療技術の研究開発、医薬品の臨床実験から臓器製造などへの応用など、3Dプリンターは医療の可能性を大きく広げる強力なツールとなるはずだ。(竹林篤実)
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