こうした中、昨今叫ばれているのが、「ウェルネス経営(健康経営)」である。ウェルネス経営とは、「従業員こそ最も大切な経営資源」ととらえ、その心身の健康増進に全社的に取り組み、企業を成長させる経営のことを指す。
つまり、従来のように、健康診断や産業医の配置といった福利厚生的な対応だったり、高ストレスを感じている社員だけのメンタルケアだったりにとどまらず、社員全員の健康を企業のビジネス成長の原動力にしようというのだ。
このウェルネス経営の考えを提唱する1社が、プライベートジムの運営やダイエットサービスなどを手掛けるFiNC(フィンク)だ。同社は2012年4月に創業したばかりのベンチャー企業だが、2015年8月に6億5000万円の資金調達を実施するなど、日本におけるウェルネス経営の浸透を一気に推し進めようと力を入れている。
そんな同社が中心となり、2015年12月下旬に発足するのが、「ウェルネス経営協議会」だ。既に全日本空輸(ANA)やソフトバンク、ファミリーマート、吉野家ホールディングス、日本交通など20社が参画メンバーとして名を連ねているほか、神奈川県および横須賀市がオブザーバーとして参加している。
同協議会で事務局長を務めるFiNCの乗松文夫副社長CAO兼CWOは、協議会の目的を「参加企業が健康に関する最新の知見などを持ち寄り、共有することで、各社の健康経営の実践に役立てる。その上で、医療費負担の軽減など国の社会問題に対する提言も行っていきたい」と説明する。
具体的な活動としては、3カ月に1回程度、勉強会やセミナーを開催して、健康経営に関する最新情報や取り組みなどを情報交換する。
「最初から明確な成果を求めるのではなく、どういう知見が集まるか、協議会として何を提供すべきかなど、スモールスタートで活動内容を進化させていきたい」(乗松氏)
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