第1回:自ら上場させた会社を辞め、2度目の起業を決意するまで
第2回:再び自宅で起業、2回目の挑戦だからこそのこだわりとは?
第4回:私の慢心を打ち砕いたベンチャーコンテスト LaunchPadへの挑戦
「企業における女性役員や管理職を増やす」「職場復帰・再就職を支援する」――。安倍内閣が掲げる経済戦略において、女性が輝く日本を作ることは重要な政策となっている。
しかし、女性のキャリア構築は、結婚や出産などのプライベートの事情に左右されがちなのも事実だ。
私自身のことを振り返ると、とにかく1日でも早く、1ミリでも多く実力をつけたいと思っていた。幸か不幸か、氷河期のど真ん中でぶち当たった就職活動では、将来についていち早く考える良い機会となった。
30歳までには何かを成し遂げていたいと必死だった私は、新卒で入る会社に実力主義のリクルートを選び、営業ウーマンとして結果の見える仕事と徹底的に向き合った。
その後、まだ20人にも満たないドベンチャーの楽天で新規事業を立ち上げる経験をして、世の中にイノベーションを起こすこと、社会インフラを作り上げる仕事とは何かについて徹底的に考えさせられた。
それらの経験のおかげで、1回目の起業は早期に何とか形になり、31歳、32歳、35歳と3度の子宝にまで恵まれた。そして、39歳には経営者として夢の1つだった上場まで果たすことができた。
そして41歳で再び起業。
26歳で1回目の起業をしてから15年経った。「起業」という言葉も、ベンチャー企業を運営するということも同じかもしれないけれど、自分の中では前回の起業時と比べて「深さ」がまったく違うように感じる。
ここまで来る間に、女性としても、経営者としても、何よりも人間として、人生でさまざまな経験をさせてもらった。ときに、キャリアアップに奮闘する営業ウーマンだったり、高揚感だけで寝ずに走り続ける“ベンチャー野郎”の時期もあったりした。人間関係の問題に立ち向かう自分もいた。
結婚をどう考えるべきか、働く妻としてどうあるべきか、自分の経験を生かして、女性部下にもアドバイスしてきた。そして、病気の子どもを持ちながら、事業拡大に挑戦したこと、自分なりの仕事と育児の両立方法を発見し、シングルマザーの立場にもなった。子どもとの永遠の別れも経験した。こうした試練を乗り越え、あらゆることに感謝の気持ちも芽生えていった。
そんなさまざまな経験があった後に立ち返った起業という「初心」は、自分の原点を見つめ直し、大切なことを思い出させてくれていると感じる。まさに自分にとっても人生の再スタートだし、ゼロから生まれた「カラーズ」という会社ともに、新たな理想に向かっての船出となったのだ。
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