私の慢心を打ち砕いたベンチャーコンテスト LaunchPadへの挑戦経沢香保子の「ベンチャー魂は消えない」(1/8 ページ)

» 2015年11月25日 08時00分 公開
[経沢香保子ITmedia]

 「Launch Pad、第1位は……。カラーズ! 経沢さん! 来ました!」

 2015年6月12日、インターネット業界の経営トップなどが一堂に会するカンファレンス「Infinity Ventures Summit(IVS) 2015 Spring Miyazaki」において、Launch Padの優勝が発表された瞬間、私は手を口で覆い、そして飛び跳ね、歓喜のあまり、一目散に表彰台のステージまで走った。本当に信じられず、驚きでいっぱいだった。

 Launch Padとは、スタートアップ企業が新サービスについて6分間でプレゼンテーションするというコンテストで、スタートアップの登竜門と呼ばれる真剣勝負の場である。過去には、ここでの優勝をきっかけに大型の出資が決まったり、一躍サービスの認知が広まったりという企業も少なくなかった。

 実は、20代、30代の若手が中心の中、40代のしかも2度目の起業となる私が出場するということで、もし負けたら恥ずかしいと、躊躇(ちゅうちょ)する気持ちもあった。でも、プライドを守ったところで何も生まれないと、挑戦する道を選んだ。

 それでも、最終プレゼン当日の舞台の上では、結果を残したくて積み重ねた必死の努力を隠したかったし、とにかく緊張しすぎて、今、動画を見ても自分の顔が引きつっているのがよく分かる。

 そんな冒頭だったけれど、実際に最終選考のプレゼンを現地で見てくれた人、あるいは後に動画で見たという人は「本当に感動した」「泣きそうになった」と、私に対する気持ちが変わったとも言ってくれた。

 「挑戦したその勇気に感動した」と、長くともに頑張ってきた友人経営者たちは、まるで自分のことのように目を赤くして喜んでくれた。エントリーして本当に良かったなと思った。

 この優勝が私たちカラーズにとっても、そして私自身にとっても大きな転機となった。ではなぜLaunch Padに出場しようと決めたのだろうか。

優勝したことで思わず安堵の笑みがこぼれた 優勝したことで思わず安堵の笑みがこぼれた
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