真っすぐな“子ども心”を失った大人になっていませんか?新連載・内田恭子の「いつもそばに本があった」(1/3 ページ)

» 2016年01月29日 14時40分 公開
[内田恭子ITmedia]

内田恭子の「いつもそばに本があった」:

幼いころ両親に読んでもらった絵本、学生時代に読みあさった小説、アナウンサーの就職面接で朗読したバイブル的な一冊、そして今度は自分が親となり子どもたちに本を読み聞かせている――。これまでの人生を振り返ってみると、常に私の傍らには本がありました。

この連載では、日常生活の中で出会った数多くの本たちをエピソードなどとともに、ビジネスパーソンの皆さんにご紹介していきます。


 新年が明けて、間もなくひと月。ようやく日常の生活ペースに戻り、何となくホッとしている私。

 年末年始は本当に慌ただしいものです。ビジネスパーソンの皆さんもきっと同じことでしょう。取引先や同僚などとの忘年会ラッシュを切り抜け、ようやく仕事納めしたと思ったら、すぐさま家の大掃除にお正月の準備。年明けは年明けで、家族や親戚などへのあいさつ回りが一段落したら、もう仕事がスタートして満員電車に揺られる日々の再開……。私も会社勤めのころは毎年バタバタの連続でした。

 もっとも、そのバタバタは今でも変わらない。たくさんのイベントがあり、家族や友人たちとワイワイと過ごす年末年始は大好きだけれど、なんせやることが多すぎていつも時間も体力もギリギリ。私のスケジュール管理と効率の悪さの相乗効果で、毎年この時期はものすごいことになっているのだ。

 今回は何とか穏やかに過ごしたいと願っていたものの、クリスマス前にやはり子どもが高熱を出し、その看病に明け暮れていたらあっという間にクリスマスが目の前に。私にも発熱の症状が出ている疑いの中、気合いでそれを無視しながら、仕事納めとクリスマスの準備。

 クリスマスが無事終わった途端、慌ててツリーやらキラキラの飾りやらを片付けて、スキー旅行の準備。んー、やっぱり頭がフラフラする。「いや、これは熱ではない」と自分に言い聞かせる。でも左目も真っ赤に腫れているから、慌てて眼科に駆け込む。かたや頭の中は別のことでフル回転。

 「えーっと、東京に帰ってくるのが大晦日だから、その前にお正月のお飾りも用意しなくては。頼んでおいた年賀状がまだ届かない。郵便局に年賀切手を買いに行かなくちゃ……!」

 大慌てで慣れない自転車でフラフラと出掛け、危うく車とぶつかりそうになる。よくも家族そろって無事に新年を迎えられたわけだ。

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