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» 2016年02月16日 08時00分 UPDATE

スピン経済の歩き方:テレビや新聞には、なぜ「文春砲」のようなスクープがないのか (1/5)

年明けから「文春砲」の勢いが止まらない。ベッキーとゲス川谷氏の「不倫」報道を皮切りに、甘利明大臣の「口利き疑惑」、宮崎謙介議員の「不倫」などが続いているが、筆者の窪田氏はある弊害を懸念している。それは……。

[窪田順生,ITmedia]

スピン経済の歩き方:

 日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。

 「情報操作」というと日本ではネガティブなイメージが強いが、ビジネスにおいて自社の商品やサービスの優位性を顧客や社会に伝えるのは当然だ。裏を返せばヒットしている商品や成功している企業は「スピン」がうまく機能をしている、と言えるのかもしれない。

 そこで、本連載では私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」を紐解いていきたい。


 「文春砲」の勢いがとまらない。

 年明け早々にベッキーとゲス川谷氏の「不倫疑惑」をスッパ抜いたのを皮切りに(関連記事)、甘利明経済再生担当相の「口利き疑惑」、清原和博容疑者にいたっては1年半前にシャブ疑惑を報じていた。著名人を奈落の底へと叩き落す特大スクープの連発に、「デスノートか」なんてネットで話題になっていたところへ、「イクメン」アピールをしていた宮崎謙介議員の不倫を暴いたことがダメ押しとなって、「スゲー」を通り越して、「センテンススプリング、怖すぎ」という声すらもあがっている。

 個人的には、また近く大物のクビをとるような「文春砲」が炸裂する日も近いとみている。

 週刊誌記者をしていた当時は、「文春」のスクープに「こりゃ完敗だ」と感じたことは一度や二度ではない。取材が長期に及ぶ大事件の場合、現場に文春の記者が来ていると、いつ抜かれるのではないかとビクビクしながら取材していた。

 なかでも特に警戒したのは、今のように特大スクープが続いている時だ。

 勢いのある週刊誌には「あそこにもっていけばきっちり取り上げてくれる」とタレコミや内部告発が多く寄せられるという「好循環」が生まれる。つまり、今の文春はスクープのフィーバー状態に入っており、まだまだ大ネタが控えている可能性が高いのだ。

 それは楽しみだと期待する方も多いだろう。週刊誌記者という立場を離れて一読者となっている自分としてもまったく同じ気持ちだが、その一方で今の状況はあまりいいことではないという気もしている。

yd_kubota1.jpg 「文春砲」の勢いがとまらない(出典:文藝春秋)
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