ついに「10速オートマ」の時代が始まる池田直渡「週刊モータージャーナル」(5/5 ページ)

» 2016年02月29日 08時00分 公開
[池田直渡ITmedia]
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 逆に言えば、高速巡航を諦めるつもりならば、10倍近いレシオカバレッジを求める必要がない。基本的な使用用途が都市内移動であったり、高速道路の使用頻度が低いならば、従来のような6倍程度のものでもこと足りる。

 これまで国内での低燃費技術は主にハイブリッドだった。しかし昨年、トヨタがオーリスで、ホンダがステップワゴンで小排気量ターボを手掛けて以来、国内メーカーでも小排気量ターボをラインアップに組み込む流れができつつある。

 筆者は正直なところ、小排気量ターボには懐疑的な面もあるのだが、少なくともこれら小排気量ターボユニットを搭載するのであれば、レシオカバレッジの大きなトランスミッションは必須だと言えるのである。

オーリスに搭載されたトヨタの小排気量ターボエンジン。シリンダーに抱き抱えられるように直近にマウントされたターボユニットとそこから吸気管までの最短距離を結ぶ冷却用クーラーが特徴的 オーリスに搭載されたトヨタの小排気量ターボエンジン。シリンダーに抱き抱えられるように直近にマウントされたターボユニットとそこから吸気管までの最短距離を結ぶ冷却用クーラーが特徴的
ステップワゴンに搭載されたホンダの小排気量ターボユニット。排気タービンと触媒を抱きかかえるレイアウトはいかにも新しい時代を思わせるが、一方で冷却風に当てるため長く取られた吸気経路がトヨタとの思想的違い ステップワゴンに搭載されたホンダの小排気量ターボユニット。排気タービンと触媒を抱きかかえるレイアウトはいかにも新しい時代を思わせるが、一方で冷却風に当てるため長く取られた吸気経路がトヨタとの思想的違い

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。

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