「小さな大企業」を作り上げた町工場のスゴい人たち

累計260万丁! 工具「ネジザウルス」がバカ売れした理由水曜インタビュー劇場(はずす公演)(7/7 ページ)

» 2016年03月16日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
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泣かず飛ばずの商品もあった

土肥: なるほど。「お客さんの声+現場の声=いい商品ができる可能性アップ」という公式って、工具の世界だけではないですよね。他の商品やサービスでも、同じようなことが言えるのではないでしょうか。

 ところで、高崎社長はこれまで800商品ほど企画されたそうですね。ネジザウルスは大ヒットしましたが、逆に泣かず飛ばずの商品もあったのでは?

高崎: 残念ながら、ありますね……(涙)。

土肥: 例えば?

高崎: 「ウイングピンセット」という商品を開発しました。長時間の作業でも疲れを感じさせないように、指を置くことができる「ウイング(可動翼)」を付けたんですよね。開発したときには「世界中のピンセットに羽根を付けてやるー!」「ウイングピンセットでスゴい会社になるぞー!」と意気込んでいたのですが……。

土肥: 結果は?

高崎: 逆に、羽根をもがれてしまいました(涙)。ただ、こうした失敗を何度も経験して、ネジザウルスが誕生したと思っています。ネジザウルスの成功を自分なりに分析したところ「マーケティング(Marketing)」「パテント(Patent)」「デザイン(Design)」「プロモーション(Promotion)」が大事だ――ということが分かってきました。英語表記の頭文字を取って、私は「MPDP理論」と呼んでいますが、これから企画する商品はこの理論をはずさなければ、成功する可能性は高くなるかなあと思っています。

土肥: なるほど。本日はありがとうございました。

(終わり)

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