「小さな大企業」を作り上げた町工場のスゴい人たち

累計260万丁! 工具「ネジザウルス」がバカ売れした理由水曜インタビュー劇場(はずす公演)(1/7 ページ)

» 2016年03月16日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]
4代目の「ネジザウルスGT」が大ヒット、その理由は?

 ドライバーでグリグリやっているうちに、ネジ頭の溝がつぶれてしまった。屋外に放置しているうちにネジがさびて固まってしまった。このような状態になって、ネジがはずせなくなってしまった……という経験がある人も多いのでは。

 さまざまな方法でネジをはずそうとするものの、はずれない。そのうちに嫌になってあきらめた人もいると思うが、そんな人にとってオススメの商品がある。ネジ頭の溝がつぶれていても、さびていてもはずせる「ネジザウルス」だ。「そんな“魔法”のような工具があるの? 本当に?」と思われたかもしれないが、ホームセンターなどで販売していて、売れに売れているのだ。

 ネジザウルスの最大の特徴は「つかむ」だけでなく、「回す」動作にも優れていること。先端部分に施された特殊な溝加工によって、絶対にはずせないと言われてきたネジをいとも簡単にはずせることができるようになったのだ。

 工具の世界では年間1万丁売れれば「大ヒット」と言われている中で、ネジザウルスは2002年に発売してから、シリーズ累計販売数が260万丁を超えている(2016年2月現在)。開発をしたのは、大阪にある株式会社エンジニア。従業員30人ほどの小さな会社が、なぜダブルミリオンの商品を生み出すことができたのか。同社の高崎充弘社長に話を聞いたところ、発売当初はまったく売れなかったという。しかし、あるときから人気に火がついて、消費者の心を“つかむ”ことができたようだ。

 その「あるとき」に一体何があったのか。高崎社長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

       1|2|3|4|5|6|7 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.