IoTという新たな「産業革命」

驚異の67.5%! オートバックスセブンのDMヒット率が、ものすごい理由水曜インタビュー劇場(DM公演)(1/7 ページ)

» 2016年05月18日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 カー用品店を展開するオートバックスセブンが、お客さんと“つながろう、つながろう”としている。顧客情報を保有する同社は、そのデータを生かして、新しいお客さんを増やそー、既存のお客さんの満足度を高めよー、売上高をアップさせよー、としているのだ。

 「なーんだ、そんなことか。データ分析は大手だったらどこでもやっているのでは?」と思われたかもしれないが、その数が膨大なのだ。約2800万人の顧客データである。驚くのはまだ早い。オートバックスセブンのこうした試みは「ビッグデータが流行ってきたから」とか「IoTに乗り遅れないため」といった話ではない。1980年には既に会員カードの発行を始め、1994年にポイント制度を導入。専門店としては異例とも言える過去の財産……つまりデータを“武器”にして、市場で戦ってきたのだ。

 では、具体的にどんなことをしてきたのか。「直近の購入日」「来店頻度」「購入金額」といった情報を基に、「そろそろエンジンオイルを変えてみては?」といったダイレクトメール(DM)を送っていたのだ。結果、購入率は上昇したものの、課題が浮き彫りになった。それは「人」である。

 「ん? どういうこと? 売り上げは伸びたんでしょ」と思われたかもしれない。以前のシステムを使っていると「エンジンオイルを変えたのは1年前。じゃあ、そろそろ交換時期のはず」という理屈で、お客さんにDMを送っていた。確かに、数字は伸ばした。しかし、相手は人である。「DMが送られてきたけれども、今日は雨だから面倒だな。また今度にしよう」「今日はポイントが2倍になっているから、いまから行こう」といった感じで、ちょっとしたことで行動が変わるのだ。システムを導入したものの、「人を知りぬくことが大切」と認識したオートバックスセブンは、次にどのような手を打ってきたのか。

 購入履歴などのデータを基に、お客さんと“つながろう、つながろう”としたわけだ。ひとりでも多くの人とつながるために、どういったことをしてきたのか。同社のマーケティング部で活躍している福島将人さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

オートバックスセブンは2800万人のデータをどのように活用しているのか(写真はスーパーオートバックスTOKYOBAY東雲)

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