「インプレッサ」生産もスタート 好調でも手堅く 富士重の米国事業(1/2 ページ)

» 2016年11月07日 08時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 富士重工業の米国事業が好調だ。2017年3月期の連結販売台数は66万1700台を見込み、過去最高更新を続ける世界販売をけん引している。足元の米国新車市場は伸び悩みが見られ、市場拡大が頭打ちとなりつつある。さらなる販売拡大のために、市場動向を見極めながら現地生産、販売体制をコントロールすることが必要になりそうだ。

photo 新型「インプレッサ」の生産を開始した米国生産拠点

現地生産を拡充

 16年4〜9月期の連結完成車販売台数は前年同期比8.4%増の51万2000台。米国の販売台数は12.5%の伸びで、32万6900台だった。7月からトヨタ自動車の旧カムリ生産ラインでスバル車の生産を開始。供給が追い付いていなかった「アウトバック」や「レガシィ」の販売が伸びた。

 10月の米国販売も前年同月より4%伸びた。59カ月連続で前年を上回る販売を続けている。

 好調な実績を織り込み、17年3月期通期の米国の販売台数は前期比13.6%増の66万1700台に上方修正。前回公表した計画に約2万台を積み増した。全体の販売台数も10.9%増の106万2400台とし、5年連続で過去最高を更新する見通しだ。販売台数が100万台を超えるのは初めてとなる。

 11月からは、北米向け新型「インプレッサ」の現地生産を開始。上期の生産台数増加と合わせて、米国の生産体制を強化している。16年末には従来の倍となる年間39万4000台の生産体制を確立する。今期の生産台数は前期比42.3%増の33万6000台となる計画だ。

 吉永泰之社長は決算会見で、「米国のディーラー大会には1900人が参加し、大変な盛り上がりだった。インプレッサの本格的な販売に向けて、高い評価を頂いている」と報告。生産台数の拡充や新型車の投入によって、さらに存在感を強めたい考えだ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.