急速に発展する武蔵小杉、駅周辺はどんなところなのか○○駅の拠点力(武蔵小杉編)(1/3 ページ)

» 2016年11月17日 07時45分 公開
[小林拓矢ITmedia]

連載「○○駅の拠点力」:

 駅は拠点である。新宿駅や東京駅などの大きな駅が拠点となっていることは多くの人が感じているだろう。しかし、そうではない住宅地の駅の中にも、交通の結節点や地域の中心となり、拠点性を持っている駅がある。この連載では、東京周辺のそういった駅を取り上げ、どんなところなのか、なぜ拠点として重要なのかを論じたい。


 武蔵小杉のタワーマンションの高さがすごい。映画『シン・ゴジラ』でも二度目の上陸の際、ゴジラとほとんど高さが変わらなかったほどだ。

 武蔵小杉は、上へ上へと、どんどん発展していく街である。その発展する武蔵小杉を支えているのは、複数の都内へのルートである。

東急とJRが交差する駅

 武蔵小杉はまず、東急東横線と目黒線の駅として知られている。東横線に関しては、特急も停車する駅である。東横線は地下鉄副都心線に乗り入れ、新宿・池袋方面へのアクセスも良好である一方、中目黒では東京メトロ日比谷線に同一ホームで乗りかえることができ、都心部へのアクセスも容易だ。

 一方、目黒線は東京メトロ南北線や都営三田線に乗り入れ、こちらも都心部へのアクセスルートとして確保されている。

 武蔵小杉は、東急だけでも複数の都心へのアクセスルートを持っている駅である。

東急武蔵小杉駅

 JRは、まず南武線がある。南武線は川崎で乗りかえることで、都心部へのアクセスに便利である一方、尻手で乗り換えることで京浜工業地帯で働く人が通いやすくなっている。その上、2010年には横須賀線の駅が開業した。これにともない、横須賀線で東京駅方面へのアクセスが可能になっただけではなく、新宿方面へのアクセスも便利になった。これにともない、「成田エクスプレス」や「スーパービュー踊り子」の停車駅にもなる。

 複数の都内へのルートを、武蔵小杉駅は持っている。それが、街の発展を支えている。ただ、南武線の武蔵小杉駅と、横須賀線の武蔵小杉駅はちょっと離れている。この間をつなぐのが長い連絡通路だ。この連絡通路には傾斜のある「動く歩道」があり、坂道を歩く人の負担を和らげている。

 東急武蔵小杉駅の乗車人員は約10万4000人。JRは約12万4000人だ。1995年には東急は約8万人、JRは約6万5000人だったことを考えると、開発が進むことによって乗降客が増え、もともとあったポテンシャルを生かすようになり、横須賀線の駅の開業によってさらに力をつけたといえよう。

JR南武線武蔵小杉駅
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