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» 2016年12月06日 06時45分 UPDATE

「ぽろしり」誕生に10年以上:カルビー、ジャガイモ新品種開発のわけ (1/3)

10年以上の年月をかけて、カルビーグループはジャガイモの新品種を初めて自社開発した。その名は「ぽろしり」。なぜ同社は新たな品種が必要だったのだろうか……?

[伏見学,ITmedia]

 「ポテトチップス」や「じゃがりこ」「Jagabee」など、売り上げ全体の約半数をポテト系スナック商品で占めるのが、食品メーカー大手のカルビーだ。

 2016年3月期通期の業績を見ると、総売上高2461億2900万円のうち、ポテト系スナックの売上高は1271億4700万円と、その構成比は51.7%に上る。

 このように商品を大量生産するために、同社が原料として使用する国産ジャガイモ(馬鈴薯)の量は年間約30万トンに上る。これは日本全体の年間収量の約1割に当たるほどである。

ジャガイモの新品種「ぽろしり」はカルビーグループが初めて自社開発した(写真提供:カルビー) ジャガイモの新品種「ぽろしり」はカルビーグループが初めて自社開発した(写真提供:カルビー)

 勘の良い読者ならもうお気付きだろうが、こうした状況はカルビーにとってリスクが付きまとう。ジャガイモが調達できなければ、それは売り上げダウンに直結するからだ。実際、今年夏に北海道を襲った台風で多くのジャガイモ畑が被害を受けて、カルビーは原料不足に陥り、ポテトチップス商品の生産調整を余儀なくされた。同社は使用するジャガイモの約8割を北海道から調達しているからである。

 当然カルビーもそうした原料調達リスクの低減に取り組んでいる。例えば、2016年8月に発売した筒型ポテトチップス商品「ポテトチップスクリスプ」によって成型ポテトチップス市場に新規参入したが、この商品は海外から輸入した乾燥ジャガイモを原料としている(関連記事:カルビーが「成型ポテトチップス」の開発を止めなかった理由)。

 とはいえ、並行してジャガイモの安定調達に取り組んでいくことも不可欠である。そうした中、カルビーは10年以上をかけて新たなジャガイモ品種の開発に成功、2016年から実際に商品の原料として使用し始めたのだ。カルビーグループとして初めて自社開発したジャガイモ品種「ぽろしり」である。

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